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2026年06月09日
カッピーと歩んだ9年間
みなさんこんにちは。ふれあい広場カッピーの飼育担当者です。
6月8日カカバのカッピー(30歳)が死亡した事をご報告します。
カッピーがどのように過ごしていたかと、私たちの想いを皆さんにお伝えしようと思い、文字を綴りました。
長い文章になりますが、最後まで読んでいただけると嬉しいです。
カッピーは今年の1月で30歳を迎えました。
馬の平均寿命は25年〜30年と言われています。
そんなカッピーは2025年6月に慢性的な蹄葉炎(ていようえん)と診断されました。また、PPID(下垂体機能障害)でもあると診断されました。 PPIDは蹄葉炎を悪化させる原因にもなり、多毛症や発汗異常、筋力低下など様々な症状を引き起こします。 蹄葉炎は蹄の病気で、馬にとって蹄は第二の心臓と言われるほど、大切な部位で、蹄の病気は命に関わるものです。
PPIDの治療も試みましたが、カッピーの身体に合わず副作用が大きく現れてしまい、治療を中止せざるを得ませんでした。
蹄葉炎の治療は決して簡単なものではありません。
2,3週間に一度、削蹄師による削蹄を行い、その都度蹄に合う蹄鉄を装蹄し、その時々の状態を見て治療を行います。 また、このサイクルをしたからといって完治には至らず長期間のケアが必要なことも多いです。
蹄葉炎は最悪の場合、蹄の底を蹄骨が突き破る蹄底脱や蹄がスッポリと外れてしまう脱蹄の危険があります。
カッピーの場合、蹄の中にある蹄骨という骨が本来の位置を保てず、少しずつ沈下してしまう状態でした。
飼育員お手製の蹄保護シューズから始まり オーダーメイドの蹄鉄や、馬用シューズを試みたり、足に負担のかかりにくい床材に変更したり、蹄を伸ばすサプリメントや餌の調整などたくさんのこと試しました。
けれど、蹄葉炎の進行を完全に止める事はできませんでした。
レントゲンには少しずつ変化していく蹄骨が写っており、蹄骨に炎症が起きもろくなっていました。
慢性的な蹄葉炎から重度の蹄葉炎に進行してしまい「高齢という事や、現状、基礎疾患を抱えている事を考えると完治は極めて難しい」という診断を受けました。
完治する事は難しいとわかってはいましたが 決して簡単に受け止められる言葉ではありませんでした。
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正直何度も思いました。
「もう、自分の意思で立ち上がり歩く事はできなくなるかもしれない」
「もう、自力で座ったり寝転んだりする事はできなくなるかもしれない」
その度に、色んな意味で覚悟をしていました。
ですが、その私たちの予想を超えてくるのがカッピーでした。
外に出たがりドアを鼻で揺らす。
ゆっくりでも歩く。
木陰にゆっくり歩いて移動し、自分で座り、昼寝をし、満足したら立ち上がり、帰りたいと柵越しに顔を覗かせる。
その姿を見るたびに「カッピーはまだ大丈夫」ではなく
「まだカッピーは諦めてない」そんな気持ちになりました。
動物園の飼育員として働いていると、命と向き合う場面はたくさんあります。
歳を重ね高齢になれば自然と体は衰えます。
年齢関係なく、動物も病気にもなります。
治らない病気だってあります。
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獣医師も飼育員もカッピーをただ長生きさせることだけを目標としているわけではありませんでした。
もちろん、少しでも長く生きてほしい。
でも、それ以上に大切な事は
「カッピーが、カッピーらしく過ごせるか」という事です。
カッピーにとって何が幸せなのか。
カッピーにとって何が心地よいのか。
カッピーは何を望んでいるのか。
この答えはカッピーしか知りません。
だからこそ1番近くにいる私たち飼育員が、毎日観察し、表情や雰囲気、仕草を見て、呼吸、暖かさを感じ、小さな変化も見逃さないようにカッピーとコミュニケーションをとっていました。
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病状だけを見れば、立っている事、歩けている事、食べている事、全てが奇跡でした。
もちろん痛みはあったでしょう。
私たちの想像する以上の痛みだったでしょう。
薬やサプリメントだって、苦くて違和感があったでしょう。
でも、カッピーはその感情に勝る活力、意欲がありました。
外に出て日向ぼっこしたいという気持ち。
餌を食べたいという気持ち。
横になって昼寝したいという気持ち。
お尻をかいて欲しいという気持ち。
カッピーの担当者になって今年で9年目です。
カッピーの表情や雰囲気、癖やタイミングは誰よりもわかる自信がありました。
その分カッピーも、私の癖や表情、声のトーンなどわかるようで、先読みして体を動かしてくれたり、苦手な点眼をしようと心構えしていることがばれて逃げられたりしていました。
もちろん、言葉で意思表示をしてくれるわけではないので、たまに間違ってしまう事もありましたが、行動や表情や雰囲気で伝えてくれていました。
カッピーに、この気持ちがある限り私たちはその気持ちを尊重したいと思っていました。
なので、雨の日でも出たがれば 屋根の下に出られるよう工夫をしたり
うまく歩けなくても外に出たがる日は、スタッフ四人でカッピーを担ぎ、日向ぼっこさせたりしていました。
カッピーは、治療の時も不思議なくらい私たちに身を委ねてくれていました。
身を委ねすぎている事も多々ありましたが……(笑)
そのおかげでできることや、してあげられることがたくさんありました。
私たちは、カッピーのケアをしているつもりですが
実際はカッピーから教わる事の方がずっと多かったです。
命と向き合う事。老いること。生きる活力。そして、その個体らしさを尊重すること。
カッピーは毎日、私たちに様々な事を教えてくれました。
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カッピーと、こう過ごす日々が、私たちの中では当たり前になっていました。
閉園後、いつものようにお手製のハンモックをカッピーの身体に装着し
ボサボサの前髪を、三つ編みしました。
よく食べるので、追加でチモシー(牧草)を餌皿に入れ
「明日休みだから、明後日会おうね」と言葉をかけ、その場を後にしました。
次の日の朝、「カッピーが急変した」という、ふれあい広場のスタッフの電話で飛び起き
急いで動物園に向かいました。
「どうか、間に合ってくれ」ただそう願い、向かいました。
ふれあい広場に到着し、急いでカッピーに会いに行くと、昨日まで見ていたカッピーの姿ではありませんでした。
「カッピー」と、声をかけていつものように頬を撫でました。
すると、私が来たことがわかったのか、耳をこちらに傾け、目が動きました。
「笑わなきゃ」
「私の雰囲気を察さないようにしなきゃ」
そう思い、いつものように接しました。
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獣医師に現状を聞き、状態がかなり悪い事。
そして、ギリギリのラインで生命を維持してくれていた事を知りました。
立って歩き、意思表示をしっかりしていたあの当たり前の日々が、ほぼ奇跡的な時間だったことを思い出しました。
見るからに、症状が悪い事はわかりました。
肺炎を起こし、かなりの高血圧と低血糖で非常に大きな負担が心臓にかかっていました。
それ以外にも、様々な事がカッピーの身体に起こっていました。
点滴をしたり、酸素チューブを鼻につけたり、様々な治療、3時間おきの寝返りが始まりました。
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馬の脚は「第二の心臓」とも呼ばれ、歩くことで全身の血流を促しています。
寝たきりで運動ができない状態が続くと、心臓や消化器官などの内臓が正常に機能しなくなり、疝痛(腹痛)などを引き起こしやすくなります。
人間にとっての「ただの腹痛」とは異なり、馬の疝痛は激痛で、一晩で命を落とす危険性があるのです。
馬が寝たきりになるという事は命に関わる事なのです。
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「カッピーの現状、今後、カッピーに起こりうる症状を考えたときに安楽死という選択肢を検討しましょう」
と言われました。
蹄葉炎だと診断を受けた昨年の6月、馬の蹄葉炎は安楽死の案件だという話も聞いてはいました。
なので、頭の片隅にはありましたが、実際にその現場に直面するとなかなか受け入れ難い事でもありました。
「動物の命を救う獣医という仕事で、目の前の動物の苦痛をとってあげられる最後の唯一の手段なんです」と、言われた事も思い出しました。
ですが、カッピーの担当者として、「今お願いします」とは言えませんでした。
治療しても難しいとわかっていても、もしかしたらいつもみたいに奇跡を起こしてくれるかもしれない。
そんな小さな希望を捨てられませんでした。
そして、獣医師も飼育員の意見を尊重してくれ、さらに治療を行ってくれました。
低血糖が少し改善されると、目に光が戻り、寝たきりにではありますが、餌が欲しいと訴えてきました。
誤嚥しないように、上体を起こし、カッピーの大好きな餌のレパートリーを並べました。
手から細かく切ったにんじんを食べたり、チモシー(牧草)を食べたり、満足したら、いらないと顔を振り、意思表示をしてくれました。
「食べてくれた」
「欲しがってくれた」
ただ、ただ嬉しかったです。
しかし、容態は悪化していく一方でした。
薬を投与したり、点滴を流したりしているにも関わらず
下がってほしくない数値は下がり続け、上がってほしくない数値は上がり続け、呼吸や心拍も変化し
カッピー自身も時々ぼーっとし、焦点が合わず、呼びかけへの反応もなく、魂ここにあらず。のような時もありました。
でも、ふっとまた帰ってきて、目が合い、口を動かしたり、体に力を入れ背伸びをすることもありました。
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そして一晩、獣医師立会の元、カッピーと過ごすことにしました。
3時間おきの寝返り、24時間続く点滴、排便・排尿のサポート、お腹を動かすために近赤外線を当てたり、足が痺れないようストレッチやマッサージしたりしていました。
また、眠そうにウトウトはするものの、なかなか寝ないので、いつもの日向ぼっこの時のように頬を撫で続けると、目を瞑り少し眠ってくれたり、何か欲しそうにするたびに、上体を起こし、グリーンスムージーをシリンジで一滴ずつ舌の上に垂らしたりしていました。
時々、何かの違和感で、足を動かしたり、顔を上下に振ったりしていましたが、なだめると、落ち着き、身を委ねてくれていました。
徐々に明るくなる窓を見て
「カッピー朝が来たよ。次の日を迎えられたよ」と、思わず声が出てしまいました。
朝を迎え、神経症状の眼振や痙攣が出るようになったり、呼吸が乱れ、体温は下がるも、体が濡れるほど発汗したり、症状が悪化する事はあっても、残念ながら良くなることはありませんでした。
そして、カッピーの様子も、ぼーっとしている事が多くなり、シリンジを噛むほど好きだったグリーンスムージーを舌の上に垂らしても、反応しなくなり、目も合わなければ、声かけをしても無反応で、カッピーが目の前にいるのに、いないように感じるようになりました。
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朝一、獣医師含めふれあい広場のスタッフ全員で、カッピーの安楽死について話すことになりました。
小さな可能性があるなら、その可能性に賭けたい。
カッピーに少しでも生きていてほしい。この想いは皆同じでした。
ただ、カッピーにカッピーらしく過ごしてほしい
痛みや苦しみは、とってあげたい。この想いも皆同じでした。
現状を客観視した時、今のカッピーの状態は
「ただ、カッピーにカッピーらしく過ごしてほしい」
「痛みや苦しみは、とってあげたい」 という事に当てはまりませんでした。
何が正しくて、何が間違えなのか。
カッピーの本心はどうなのか。
そんな事、わかりません。
私だって、カッピーの本心が知りたいです。
だから、カッピーの1番近くにいる私たちが、カッピーの状態を考え判断する必要がありました。
命と本気で向き合う現場で、命を繋ぎ「救う」という事だけではなく、
自分ではどうにもできない現実を受け入れなければならない時もあるんだと、痛感した瞬間でした。
絶対に受け入れたくなく、拒み続けていた安楽死。
私たち、飼育員と獣医師はそれを選択しました。
何度も、やっぱりやめると言おうと思いました。
何度も、「今のカッピーの容態は悪化し続けているんだ」と自分に言い聞かせもしました。
自分の中に納得いく答えが出ず、延々と考えてしまう一日でした。
カッピーを見ると、涙がこぼれそうになります。
しかし、雰囲気や空気感が伝わるとよくないと思い、いつも通りに接しますが
カッピーは何となくわかってそうでした。私の、「ただ、ただ嫌だ」という感情は隠しきれてなかったと思います。
それを思うと、担当者としてまだまだだな。と思います。
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安楽死の実施は、閉園後でした。
残された時間、カッピーと過ごします。
色んな飼育員の方々が会いに来てくれました。
飼育担当者、獣医師はもちろん常に隣にいます。
ですが、カッピーはいつものようにはもう、反応しませんでした。
チャームポイントでもあった、ぱっつん前髪の三つ編みを編み直し
好きだったブラッシングをして、頬を撫でますが、いつものように安心して目を瞑ってはくれませんでした。
沢山の獣医師、飼育員がカッピーを見守る中
着々と準備が進められはじめました。
何をしても、目が合う事なく反応のないカッピーでしたが
最後に頬を撫でると、目が横に動き、目が合いました。
そして、いつものように目を瞑ったんです。
本当に、いつもする日向ぼっこの時と同じような時間でした。
何で、何で最後になって、反応するんだよ。そう思いました。
今まで見たなかで、1番安らかな顔でした。
鎮静薬を打ち、眠らせたのちに薬が投与されます。
鎮静薬が打たれると、力が抜け麻酔がきいた状態になるので、瞑っていた目が開きました。
実は、まぶたは筋肉の力で閉じる事ができます。
しかし、死後や麻酔をかける事でまぶたを閉じる筋肉が機能しなくなるので目が開きます。
6月8日18時06分、カッピー(30歳)永眠
カッピーにとって何が正しかったのか
カッピーはどう感じていたのか
今でも考えます。
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そして
今日もいつもの癖で、スマホからカッピーの様子を見ていたカメラのアプリを確認してしまったり
馬房を覗いたり
名前を呼んでしまったり
私にとって、当たり前だった事が、当たり前ではなくなったこの瞬間。
本当に、かけがえのない時間だったんだと、痛いほど感じています。
歳を重ねることは、誰にでも訪れる自然な事です。
体は少しずつ変わっていきますが、それでも一歩一歩懸命に生きる姿があります。
「できることを、できるだけ、今日も大切に生きること」
そんなカッピーの姿を、身近で見ていると、私も頑張ろうと思えました。
私の人生にとって、カッピーの存在は大きなもので、かけがえのない時間で、本当に沢山のことを教えてくれた時間でした。
こうして、文字として綴っていますが、文字なんかでは表せられないほどの気持ちでいっぱいです。
動物園の飼育員として、みなさんに「伝える」という事をしなければいけません。
カッピーと過ごした時間、経験を伝え、少しでも他の動物達のためになればと思っています。
また、カッピーのことを、応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。
カッピーと共に、外で過ごしている時間に「かわいそう」という言葉ではなく
「がんばれ」という言葉をたくさん聞けて、本当に良かったです。
カッピーの担当者になれて、本当によかったです。
カッピーからすると、思うことはたくさんあったかもしれませんが
カッピーと過ごした時間は、私にとって宝物です。
うまくまとめられず、申し訳ないですが 最後まで読んでくださりありがとうございました。
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2026年05月06日
思い出
王子動物園は1951年3月21日に開園しました。
今年で75周年を迎えることができました。
これから1年、色々なイベントを開催したいと考えていますが、
その第一弾として、開園記念日の当日に開催した「記念講演会」の様子を先日youtubeに公開しました。もしよろしければご覧ください。
動物園も開園して75年が経つとあちらこちらで老朽化が目立ちます。
動物園で1番古くからある建物がゾウ舎で築73年。
次が旧サイ舎の築68年になります。
それぞれ数回の改修工事をしながら、いまなお現役で頑張っています。
王子動物園の歴史の中では、
その時代ごとに整備計画が考えられてリニューアルもされてきました。
2003年には新カバ舎をリニューアル。
動物園などで飼育されているカバの寿命は40年~50年と言われていますが、
当時49歳でご長寿のカバ「茶目子(メス)」のために
バリアフリーのおうちを新築しようと計画されました。
残念ながら…
完成を目前にして「茶目子」は亡くなってしまいましたが、
いま盛んに取り組まれるようになった動物福祉を先がけて経験したように思います。
当時の写真を探していると担当の職員から懐かしい話を聞きました。
「茶目子の老後を考えての新居だったので、
茶目子の死後、解剖の時に少しだけひげを切って
完成したプールに入れてあげたのを思い出します」
今朝、園内巡視をしていると、
野生のカルガモがカバ舎にやってきてお散歩していました。
王子動物園はこれからもたくさんの動物たちに
もっともっとやさしい動物園になっていきたいと思います。
ぶろぐのぐ
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2026年05月02日
北園のエミューたちについて
昨年12月から病院舎にて体調管理をおこなっていた東側エミュー(オス)が、3月に循環不全のため亡くなりました。昨年の12月には西側エミュー(メス)も生殖器疾患のため亡くなっており、王子動物園にいるエミューは現在1羽となりました。
この3羽のエミューは、2002年に宮崎からみんな一緒に来園してきました。
ちゃんとした年齢がわからないのですが…来園当時でもう成鳥だったという話から、20歳は超えていると推定されます。エミューの平均寿命は20~30年と言われているので、かなり高齢に近い個体だと思われます。
そんな20年以上も王子動物園で過ごしてきたエミューたち、私はまだ3年ほどしか担当していないのですが、担当になりエミューという動物についてたくさんのことを知ることができました(水浴びが大好きだったり、オスとメスで鳴き声が違っていたり)。
目が赤い…顔が怖い…などの声が聞こえてくることも多いですが、3羽とも少し臆病で、そして穏やかな性格です。水浴びが好きで、暑い時期にはシャワーとホースの二刀流で水浴びをしていたこともあります。
もう3羽みんなでの水浴びしている姿がみれないと思うと寂しいです。
3羽いた展示場には現在1羽のみとなっており、もしかしたらみていただく方たちは少し寂しい気持ちになってしまうかもしれません。
しかし担当者としていつまでも寂しいままではいられません。現在も元気に過ごしてくれているニッシーを、まだまだ元気でいてもらえるようしっかり見守っていき、これからもエミューについての魅力などを皆様に伝えていけたらなと思っています。
長い間王子動物園のエミューたちを愛してくださり、ありがとうございます。1羽となってしまいましたが、これからもあたたかく見守っていただけたら…と思います。
亡くなった2羽も、長い間お疲れ様。3羽とも王子動物園に来てくれてありがとう。
(3羽一緒に水浴びをしている様子)
北園担当
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2026年03月06日
ガチ(本気)で
2月27日は「国際ホッキョクグマの日」。
世界中のみなさんに絶滅の危機に瀕しているホッキョクグマの保全状況についての認識を高めてもらい、理解を深めてもらおうとする目的で制定されました。
王子動物園ではこの日にちなんで2月22日(日)に、
担当者の講演と「キーホルダーづくり体験」のワークショップを開催しました。
飼育担当者からは野生のホッキョクグマの現状や、
王子動物園で取り組んでいる環境エンリッチメントのお話しを。
動物科学資料館の担当者からは、
私たちが利用しているプラスチックが環境にどんな影響をあたえているのか、
私たちがいま何をしなければいけないのかについてお話ししました。
以前にもブログやX(エックス)などで紹介しましたが、
王子動物園のホッキョクグマ舎には冬に巨大化する雪山があります。
「ゆめ」は野生のホッキョクグマがアザラシなどの巣穴を掘ったり叩いて壊したりする行動をこの雪山で再現しながら、いきいきとした動きを見せてくれています。
ある日もそんな光景を見ていると、
観覧用のガラス窓の下からひょっこり…
あれっ!?
こんな近くで「ゆめ」の顔見れたっけ!?
なんと、雪が積もり過ぎて足場となって「ゆめ」の手が届くような感じさえ…
あわてて担当者に話しに行くと、
「はい。なので、一定の高さ以上にならないように毎日雪かきをしています。」
「なるほど!」
お手伝いがてら雪かきを体験してみました。
しかし、なんと大変なこと!
雪の上側はふわふわだけど、そのすぐ下はカチカチの氷です。
30分も体験したらへとへとに。(>_<)
まさか神戸で本気の雪かきをするとは。
降らせる雪を減らせばいいようなものですが、やはりゆめのためには、毎日ふわふわの新しい雪を用意してあげたいということです。
動物のために取り組んでいる環境エンリッチメントとは、
なかなか簡単なことではなかったと身をもって思いました。
ぶろぐのぐ
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2026年02月27日
カカバのカッピーについて
「ふれあい広場のカカバのカッピーの展示中止のお知らせ」
皆さんこんにちは。春の暖かい風が吹くようになりましたね。
ふれあい広場の動物たちの冬毛が抜け始め、春の訪れを教えてくれています。
「カッピーの調子はいかがですか?」「ちゃんと食べていますか?」「元気にしていますか?」
と、日々皆さんからのカッピーを想ってのお声を耳にします。いつもありがとうございます。
今日はそのことも踏まえて、カッピーのお知らせとお話をしようと思います。
ふれあい広場で生活する果下馬(カカバ)のカッピー(メス)は今年の1月で30歳を迎えた老馬です。
ウマの平均寿命は25年~30年と言われ、20歳頃から年齢とともに様々な衰えが目立ってきます。
私がカッピーの担当者になったときは、カッピーは22歳でした。
もうすでに20歳を超えていましたが、そんな事を感じさせないほど毛艶がよく、機敏で、若々しかったです。
しかし、年齢を重ねるごとに年齢特有の問題が出てきました。
昨年の夏頃から蹄の治療を始め、秋頃に治療に専念するため屋外から室内へ移動しました。
足の状態がいい日や、カッピーが外へ出たがる日は屋外展示場で過ごす日もありました。
カッピーにとって何がいいのか、どんな環境を整えるべきか、ひたすら試行錯誤の日々でした。
日々試行錯誤をする中で、カッピーの新しい物好きで好奇心旺盛な性格に何度も助けられました。
しかし、この2月に入り、カッピーの展示を中止することにしました。
足の状態は、年齢特有の症状なだけあって、完治することは非常に難しく、獣医師と話し合いを重ね、症状をできるだけ緩和するという方向へ進みましょう。という判断に至りました。
カッピーは何がしたくて、どう過ごしたいのか。いざとなったら130㎏もある体重をどう支えよう。
カッピーがいろいろ嫌がって暴れたらどうしよう。ホント、ものすごく色んな事を考えました。
そんな時、落ち着いてその時々に適応するカッピーの姿を見て、「カッピーとなら何とかなるかも」となんだか安心したんです。もちろん「ごめん!カッピー私がへたくそで!」と思うことも多々ありますが、その都度適応してくれるカッピーに感謝しかありません。
カッピーも、全力すぎるくらいこちらに身を委ねてくるので、「ちょっと!身を委ねすぎだわ!」と、叫びながらいつも過ごしています(笑)
移動する際も、暴れることもなく、協力してくれることもなく(苦笑)、「どうぞ~」と言わんばかりに体全て委ねてくれます。そのおかげで、私たちスタッフも円滑に進められています。
もちろん、頑固でマイペースな所は変わらないので「今立たない。動かない。もう少し寝る。」と言わんばかりにこっちの様子をうかがいながら寝転んだり、「これじゃない。違うやつ」と言わんばかりに餌皿をひっくり返したり、カッピーらしさは相変わらずです。
カッピーは日向ぼっこでの昼寝が好きだから、暖かくなったら外に出たがるかな?その時のために準備しておこう。床材こんなのはどうかな。餌はレパートリーを増やそう。など日々模索しています。
担当者として、今までもそしてこれからもなるべく、カッピーの意思を1番に尊重したいと思っています。
展示中止に伴い展示場でカッピーをご覧いただくことはできませんが、ふれあい広場の窓越しにチラッと姿を見ることはできます。
また、公式Xにての近況報告や、最近ひそかに始めた四コマ漫画の「担当者とカッピーの日常」をご覧いただけたらと思います。
文字を綴ると、様々な感情がこみあげてきてうまくまとめられません!
長々となりましたが、最後までご覧いただきありがとうございました。
あ。カッピーは今日もよく食べて、よく排便して、頑固でマイペースに過ごしていますよ!
ふれあい広場担当 原野
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2026年02月22日
2月22日は「猫の日」ということで…
今日、2月22日は「猫の日」ということで、王子動物園で暮らすネコ科の仲間たちをご紹介。
現在、王子動物園には約120種650点の動物たちが暮らしています。
さて、その中にネコ科の仲間はどれくらいいるのでしょう?
動物園に入ってすぐ右へ進むと、ガラスでおおわれた獣舎が見えてきます。そう、そこはネコ科動物たちの暮らす円形猛獣舎。
・アムールトラの「ミシュカ(オス)8歳」と「レーニャ(メス)8歳」
・シベリアオオヤマネコの「アル(オス)11歳」と「ベル(メス)11歳」
・ジャガーの「アトス(オス)16歳」
・ボブキャットの「ソラ(メス)11歳」
・アムールヒョウの「アニュイ(オス)17歳」と「セイラ(メス)10歳」
そして円形猛獣舎の西北、ホッキョクグマ舎西側の小獣舎には
・マヌルネコの「イーリス(オス)8歳」
と、王子動物園には6種9頭の個性豊かな「ネコ」科の仲間たちが暮らしています。
さて、円形猛獣舎の最初に登場するのは…
《アムールトラ》
トラのなかでも最北のロシア極東地域などに生息する、大型ネコの代表。その生息数はおよそ500~600頭と少なく絶滅危惧種(EN)に指定されている。
・メスの「レーニャ」はキリッとした顔立ちで縞模様のコントラストがはっきりした非常に美しいトラ。岩場から見下ろすその姿はもはや女王の風格。放飼場から寝室になかなか帰ってこないこともあり、さすが「猫(科)は気まぐれ」と思わせられる。
こちらを見ているレーニャと目が合うかも。
・昨年アドベンチャーワールドから来園したオスの「ミシュカ」はりりしい顔つきで、悠々と歩くその姿は風格すら感じさせる。遊具やプールが大好きな一面もあり、寒くても平気で水に入っている姿は見ている方が震えるほど。
ただいまペアリングに取り組む2頭、暖かく見守りたい。
プールも遊具も大好きなミシュカ。
次に半時計回りに進むと…
《シベリアオオヤマネコ》
ユーラシア大陸北部に生息し、寒さや雪に適応するため、足幅が広く足裏には密に毛が生えている。放飼場では岩場の陰や木の下で休んでいる事が多いので、探してみてほしい。
・オスの「アル」は切れ長の目のシュッとした面立ち。放飼場の岩場や木の隙間から覗く顔つきは獲物を狙うハンターそのもの。え?私、狙われたの?美味しくないよ。
アルの向こうにベルがいる。
・放飼場2階部分から見下ろすスタイルが多いメスの「ベル」はいつも”ジッ“とこちらを観察している。眼光鋭いその姿は、両前脚で鼻をかくして眠るバックヤードでの姿とはずいぶん印象が違う。なかなか寝室に帰ってこようとしない常習犯でもある。
ベルに見つめられる。
2頭が仲睦まじく日なたでくつろぐ姿にはホッコリ。
その次には展示時間が午前担当の…
《ジャガー》
アメリカ大陸の熱帯雨林などに生息し、頭部が大きくずんぐりした体格で脚は短め、そんな身体のバランスが特徴的。
・「アトス」は「黒変種」だが、よ~く見るとちゃんとジャガーの梅花模様が隠れているので、じっくり観察してほしい。オスの貫禄十分で、黒い体に黄色い瞳、あくびをするときに大きく開けた口元からみえる牙は“The猛獣”と呼ぶにふさわしい。晴れた日の朝には高い位置にある丸太の上で周囲を見渡す姿をよく見かけるので、ぜひ放飼場の上の方にも目を向けてほしい。
アトスの黒いボディーが青空に映える。
同じ放飼場の、午後担当は…
《ボブキャット》
北米の様々な環境に生息し、人間の生活圏近くにも姿を現す順応性の高さがある。短くよく動く尻尾が特徴的。国内ではここ王子動物園でしか飼育していない。
・「ソラ」は身のこなしも軽やかで、見た目は家で飼えそうなコンパクトサイズ。が、餌の手羽先をバリバリと音を立てて噛み砕くその姿はしっかり猛獣。円形猛獣舎イチの食いしん坊のオンリーワンな姿をぜひ生で観察してほしい。
ソラの尻尾の動きは悶絶のかわいさ。
円形の建物のゴールに待ち受けるのは…
《アムールヒョウ》
ヒョウのなかでも最北のロシア沿岸地方等に生息するが、野生下の数はおよそ100頭と他のネコ科と比べても少なく、絶滅危惧種(CR)に指定されている。・オスの「アニュイ」はガッシリ体型ではっきりした顔立ち。毎朝の放飼場内の点検に余念がない。
アニュイはこの台がお気に入り。
・メスの「セイラ」はキラキラな瞳の持ち主。スマートな身体で身軽にヒョウヒョウ(⁉)と獣舎の岩場や丸太を駆け回る姿と、陽を浴びてうつらうつらと目を閉じて寝そべる姿のギャップに注目してほしい。
キラキラな瞳のセイラ。
なお円形猛獣舎の観覧通路には2階部分があり、上からも見下ろせる仕組みになっているので、間近に彼等の様子を見ることができます。
円形猛獣舎から小獣舎に向かうと…
《マヌルネコ》
「マヌル」とはモンゴル語で「小さいヤマネコ」の意味で、ヒマラヤ山脈周辺から中央アジアなど広い範囲に生息する。岩場や草原で獲物を待ち伏せするため、額や目の位置が高く耳は離れて顔の横についている。厳寒の環境に適応するため、長く非常に密な毛で覆われた冬場は体が丸く見えるほど。
・「イーリス」も、ちょうど今は最高潮にモッフモフな時期。丸いからだと大きな瞳でじっとこちらを凝視する姿は一度見たら忘れられません。
ただいま絶賛モフモフ期のイーリス。
いかがですか、王子動物園の個性豊かなネコ科の仲間たち。
温かな日差しの中、日向ぼっこして目を細めるそんな彼等に会いに来てみませんか。
Nのひとりごと
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2026年02月21日
ゆめの体重は何キロ??
ゆめは2023年12月3日に北海道の旭山動物園から王子動物園に来園しました。
ゆめが繁殖適齢期を迎えるまで健康に育てることが当園の役割です。
そのため、ゆめが当園の環境に慣れ始めた2024年5月頃からハズバンダリートレーニングを開始しました。
昨年、2025年8月に目標にしていたトレーニング下での採血に成功しました。
次に目指したのが、体重測定です。
体重測定はバースケールという機械を使います。

まずは、ゆめが四つ足で乗れる板を用意し、その上にしっかりと乗るトレーニングから開始しました。本番では板の下にコード付きのバースケールを入れるので、コードを想定した麻紐も使用してトレーニングを行いました。
ゆめは新規物があるとすぐに破壊してしまうので、初めて練習用の板を入れる時は壊される覚悟で入れました。
最初に入れた板はやはり割れ目を入れられてしまいました…
しかし、採血トレーニングでも活躍しているゆめの大好物のオリーブオイルのおかげで板よりもオリーブオイルに注意を引き付け、無事に乗ることができました!
何度かトレーニングを繰り返し、すんなりと板の上に乗れるようになったので、次は板の下にバースケールを入れることを想定して、グレーチングを入れてみました。
ところが、グレーチングを入れると、板の安定性がなくなり、ゆめが板の上に乗るとガタガタと揺れてしまい、それに驚いたゆめは板の上になかなか乗りません。さらに、グレーチングの鉄の匂いが気になり、板をひっくり返そうとする始末…。これはダメだ、とすぐにトレーニングを中止しました。
そして、板自体の高さを出す改良を行い、ゆめの寝室のすぐ横にグレーチングを置いて匂いに慣れてもらいました。
しばらくは板に乗ることを嫌がったのですが、ここでもやはりオリーブオイルが活躍し、無事に高さが増した板にもすんなりと乗れるようになりました!
グレーチングの匂いにも慣れてきたところで、再び板の下にグレーチングを入れてみました。板自体の高さが増したので、板がぐらつくこともなく、匂いを気にすることもなく板に乗ることができました!
これをまた何度か繰り返して、いよいよ本番を迎えました。
板に乗ることは完璧なのですが、本番での不安な点は2つ。1つはグレーチングとは違い、バースケールは園内の色々な動物の体重測定に使用しているので鉄の匂いに加えて、たくさんの動物の匂いがついていること。もう1つは今までは麻紐だったものが本物のコードに変わるので齧られると壊れてしまうという点です。
本番はチームのメンバーにも協力してもらい、それぞれの役割を決めてから挑みました。
バースケールやコードを少し気にする様子もありましたが、無事に体重を測定することができました!
12月10日、ゆめの4歳の誕生日に体重測定が成功し、とても嬉しかったです!
この時の体重は約198キロでした。
飼育担当と獣医の間では200キロ前後だろうと予想していたため、予想的中でした!
そして、1ヶ月後の1月14日に2回目の体重測定を行いました。この時は197.3キロでした。
動画を見るとわかるのですが、オリーブオイルを舐める動作でなかなか数値がピッタリと止まりません。次は板の上で静止し、より正確な数値の測定を目指そうと思います。
そして、今後も1ヶ月に1回体重測定を行い、体重の経過を観察し、餌の量などを調整し、健康管理に役立てていきたいと思います。
みなさんの予想は当たっていましたか??
ホッキョクグマ担当
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2026年02月20日
アジアゾウのマックについて その②
オスゾウのマックの寝室の柵に簡易のPCWを取り付けました。
PCWとはProtected Contact Wallの略で、人とゾウが安全にケアや治療を行うための柵のことです。
マックはズゼと違って直接飼育(ゾウと同じ空間に飼育員が入る)はできません。柵は人が出入りできるよう大きく開いているため、マックに鼻などでアタックされないよう柵越しに距離を取りながらケアを行ってきたのですが、今回、PCWの簡易版として柵の一部を改修、設置しました。
初日は新しいPCWを警戒して馴致の時はあまり近寄ってこなかったので、夕方の餌を柵の上に乗せたところ、安心してくれたようで近寄ってくれました。
PCWにしたことでマックが鼻を出しにくくなり、より安全に、これまで以上にしっかり獣医が足の状態を観察したり、治療が出来るようになりました。それでも100%安全ではないため、引き続きマックの動きに注意を払いながら近寄るようにしています。
今回、柵の下部の幅を広くする事で、マックの足に薬剤を噴霧したり、棒を使って薬剤を塗布したり、やすりを使って爪を削ったりがしやすくなりました。
今後は後肢を上げた状態を維持できるようにし、直接足にアプローチ出来る様に馴致をしていこうと思います。
柵には中央にだけ横棒を入れ、上部はマックが近寄って来た時に鼻を乗せて休めるように空けたままにしています。
もう一か所、寝室の扉の手前に足浴槽を作りました。
今までにも柵の所に足を出させて、足先が乾燥しすぎないようにぬるま湯で洗浄して薬剤の塗布をしていましたが、足裏へのアプローチが難しい状況でした。
床面を少し削り足浴槽として薬剤を入れ、そこにマックが立つことで、足裏の薬浴が出来る様になりました。
このように今私たちがマックにできる事を考え実践して、更により良い飼育環境の向上と健康管理をしていきたいと思います。
やん
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2026年02月19日
寄付のつかいみち
皆様、こんにちは。
今日は運営担当スタッフより、寄付についてお話しします。
まずは、日頃より、サポーターや募金といった寄付にご協力いただきありがとうございます。
11月から募集を始めたクラウドファンディングは、1,100万円を突破しました!
これも皆様のあたたかいご支援のおかげです。
今回のクラファンも残り2週間…
「目標金額2,000万円」を達成できるか、ドキドキする毎日です。
目標達成まであと800万円!!引き続きご支援よろしくお願いします!!
さて、皆様から頂いた寄付ですが、「何に使っているの?」「本当に動物園のために使われているの?」といったお声をいただきます。
答えは…もちろんYES!!
全て動物のため、動物園を運営するための大切なお金として使わせてもらっています。
でも、実際目に見えないと分かりにくいものです…
そのため、この場で皆様から頂いた寄付の使い道をお伝えさせてください。
いったい「何に使っているのか?」これまでの事例をご紹介します!
~獣舎の修理・改良~
これは他の動物園でもよく目にしますよね。
動物の住環境を整えるためには必須ですが、動物用の既存の物はなく、ほぼ全て特注。
その場で対応、資材は取り寄せだったりするので、思った以上に費用がかかります。
・ゾウ舎改修
先日のブログ(じゅーいのしゅーい#142)でもご紹介しましたが、今年はゾウのマックの足のケアのため、獣舎の環境改善を行いました。
まず、ゾウが本来暮らす環境に近づけ、足への負担を減らすため、放飼場に川砂を入れました。
砂は日がたつと減ってしまうので、今後追加や入れ替えも必要になります。
次に、より近くで足のケアができるように、寝室の柵を一部改修しました。
そして、まさに昨日、ゾウ舎パドックに新たに土を入れました!
ゾウたちが居ながらに作業をするので、土の搬入経路や作業動線をよく考え、
今回はクレーンで土を吊り上げて放飼場に入れる方法を取りました。
ひとつずつ、袋を釣り上げて入れていくので、時間がかかります。
いい天気でよかった!
何か一つ、作業を行うにしても、動物たち・来園者の方への影響など様々な配慮が欠かせません。大型の作業は休園日にできるよう日時を調整し、作業音の大きさを事前に確認するなど準備作業をしっかり行っています。
この他にも、今後も寒い日が想定されるので、追加でヒーターを準備し、より良い環境を作る手配を早急に進めています。
・ホッキョクグマ舎 降雪機
今の季節、大きな雪山を作ってくれる降雪機。ホッキョクグマのゆめが、楽しそうに穴掘りしている姿は大人気です。
ただし!この機械はとても高価で、部品を取り換えるだけでもすごく費用のかかる経理担当泣かせの代物です。
(実際、R6年、R7年と2年連続で修理が必要になり、悲鳴をあげました…)
とは言え、本来寒い地域に住むホッキョクグマに、神戸の温かい気候下でも豊かに暮らしてもらうためには、なんとか引き続き稼働させたいもの。
また、雪山で穴を掘るなど本来の行動を引き出せる環境を作ることは、動物福祉に繋がるだけでなく、見ている私たちをも楽しませてくれます。
う~~ん、とっても高いけど…。ホッキョクグマのために!修理決定!
他の運営経費を調整し、いただいた寄付も活用しながら、修理に至りました。
~暑さ対策~
動物園は屋外施設なので、暑さ対策は頭の痛い問題。
少し外に出るだけでも汗びっしょり。そんな環境下で、動物たちにも、来てくれる皆様にも少しでも涼を提供したい…
アシカ舎日よけネット
アシカプールだけでなく、一部観覧エリアにも日陰を作ってくれます。
ホッキョクグマ舎日よけネット
こちらも特注品。ゆめの行動範囲・背の高さを考えて、設置する場所を細かく調整しました。
日よけ以外にも、時には氷をあげたりもしています!
観覧通路のミスト
少しクールダウンできる場所なので、是非活用してほしい!
(私も猛暑の日に園内を見回る時は、時々ミストの下で涼んでます)
その他にもたくさんありますが、今回は一部をご紹介しました。
動物園の運営は毎年決められた予算の中でやりくりしていますが、ご紹介した事例のように緊急対応が必要な物が必ず出てきます。その時は「今、動物のために必要なものは何か」を考え、優先順位を決めて順番に対応を行っています。
その時に、皆様からのご支援は大きな支えとなります。
また、寄付とともに、お手紙やあたたかいお言葉をいただくこともあるのですが、こういう場で皆様へ感謝の思いや寄付の活用状況をお伝えできればと思います。
皆様からのご支援は、決して無駄にならないよう、そして一番は動物たちのためになるように運用しています。
時には、動物園スタッフへ口うるさく「経費削減!」を求めますが、
それもこれも限りある動物園運営費を有効に活用するため。
皆さんからいただいたご支援を有効に活用すべく、これからも取り組んでいきます。
入園ゲートのクラファンポスターは、職員のお手製。たくさんの人に知ってほしい!
次回は「これから取り組みたいこと」をお話しします!
つづく
うらかただより
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2026年02月10日
じゅーいのしゅーい#143 引越し準備は念入りに
リニューアルに向けて、あちこち工事が始まっています。
カバの屋外展示場では、重機が入る工事がありました。
これは何の工事かというと、話せば長くなるのですが…
新しくできるサバンナゾーンへ引っ越すにあたり、園内とはいえカバたちが歩いて移動、とはいきません。輸送箱での移動になりますが、麻酔をかけずに自主的に箱に入ってもらうために、ゆっくりと時間をかけて箱に慣れてもらう必要があります。近々、寝室(屋内展示場)出入口付近のちょうどいい場所に輸送箱を設置するため、今回、一部の擬岩を撤去しました。
…という工事なのです。
引越しはまだまだ先ですが、出目男さんは高齢だし、ナミコはけっこう慎重派なので、念には念を入れて準備しています。
今回の工事は大きな音がするため、カバたちは終日屋内飼育となりました。
出入口には防音シートを張ってもらいました。

それでも用心深いナミコはぜんぜん陸に上がってきません。
たまに鼻だけ出して呼吸しています…。

工事の音というより、知らない人(作業員さん)がたくさん外にいるのが気になるのかも。
気配を消すナミコを気にする出目男さん。
こちらは意外と平気そうです。年の功?

午後、ナミコがようやく大好きな青草を食べに上がってきました。
よかったです…。

近くのレッサーパンダのノハナもこの日は寝室で待機。

常に動物最優先で、慎重に準備を進めていきます。
動物たちが観覧しづらくなることもありますが、ご理解いただければ幸いです。
(亜種メガネダヌキ)

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