2025年06月26日
ジャイアントパンダの「タンタン」の返還
2024年(令和6年)3月31日に死亡したメスのジャイアントパンダ「タンタン」の剥製等を中国へ無事返還しましたのでお知らせします。
「タンタン」は、1995年(平成7年)9月16日に中国ジャイアントパンダ保護研究センターで誕生し、日中共同でのジャイアントパンダ保護研究のために2000年(平成12年)7月16日に王子動物園に来園以来、約24年もの間、阪神・淡路大震災で傷ついた多くの神戸市民に勇気や希望を与え続けてくれました。2021年(令和3年)3月に加齢等による心臓疾患が判明し、以後、日中双方は専門家チームを立ち上げ、連携して診断や治療にあたりましたが、2024年(令和6年)3月31日に死亡しました。2024年(令和6年)5月10日には追悼式を開催し、命日となる2025年(令和7年)3月31日には追悼のイベントを実施しました。
「タンタン」の遺体については、中国側と協議書の規定および検疫要件に基づき協議のうえ、剥製として中国に返還することとなりました。標本化することにより、ジャイアントパンダ保全のための調査研究や教育普及などの分野で活用されることが期待され、これは国際的にも一般的な対応となっています。剥製等は2025年(令和7年)6月25日に日本を出発し、6月26日に中国に無事到着しました。
「タンタン」の生前に多大なる配慮、ご協力をいただきました中国関係者の皆様、並びに長期にわたり「タンタン」に関心を寄せ、愛してくださったすべての方に改めて心からの感謝を申し上げます。「タンタン」は生まれ故郷である中国に帰国しましたが、その神戸での生涯を通じて、共同研究においてジャイアントパンダの飼育管理や治療等に関するたくさんの知見を残してくれました。今後もそうした知見を将来に引継ぎ、ジャイアントパンダの保全に寄与していきたいと考えています。
「タンタン」の生涯
1995年(平成7年)9月16日:中国四川省で誕生
2000年(平成12年)7月16日:「タンタン」来神
2021年(令和3年)3月:定期検査の中で加齢等による心臓疾患が判明
2024年(令和6年)3月31日:「タンタン」心臓疾患に起因する衰弱死
※28 歳(中国の数え年29 歳)のジャイアントパンダは、中国の専門家によると、人間の100 歳近くの高齢者に相当する。
中国との貸与に関する経緯
1999年(平成11年)8月11日:ジャイアントパンダ日中共同飼育繁殖研究協議書締結
2010年(平成22年)6月9日:5年間の延長を定めた「日中共同研究補充協議書」締結
2015年(平成27年)7月13日:5年間の再延長を定めた「日中共同研究延長協議書」締結
(返還期限:2020年(令和2年)7月15 日まで)
2020年(令和2年)7月1日~2024年(令和6年)12月末
新型コロナウイルスの感染拡大状況及び「タンタン」の病状の影響により、双方は経過的覚書を締結する形式で協議期限を2024年(令和6年)年12 月末まで延長