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2025年10月23日
世界ユキヒョウの日
今日は“世界ユキヒョウの日”
絶滅の危機に瀕したユキヒョウの保全を考える日。
2013年10月23日にキルギスのビシュケクという街で「世界ユキヒョウ保護フォーラム」が開催されたことを受け制定されました。
この日に向けユキヒョウの「ユッコ」について、ブログにしようかXにしようかそんな話をしたのはつい、先月の事。こんな日がこんなにも早く来るなんて夢にも思わずに…。
少し気温の下がった爽やかな夜明け、とても静かな朝。
ユキヒョウの「ユッコ」は穏やかに息を引き取っていました。
円形猛獣舎のバックヤードはいつもなら個室の檻の中を鳴きながらウロウロしている猛獣たちもその日の朝はジッとし彼女の《死》を知ってか否か、とても静かな空間でした。
動物たちは本能的に《死期》を《命の終わり》を感じるものだと聞いたことがあります。
生きとし生けるものみな平等にその鼓動の止まる時はいつか必ず訪れます。でもそれがいつなのかは明確には誰にも分かりません。
ここで働いている間、突然その時は何度もやってきました。
私たち飼育員は飼育動物の一番近くにいて、彼らの普段を観察し、いつもと違う様子があればそれに気付けるよう日々目を、心を配っています。常にすべての動物たちのそばにいることはかないませんが、具合が悪そうだったり様子の違いに気が付いたときは獣医師と一緒に様子を見たり治療をするかの相談をします。
自然界では“弱っている姿をみせる=自らの命を危険にさらす”可能性がたかまります。
表に出さないことが彼らの身を守る手段の一つでもあり、それは例え長く飼育下におかれていても囲いの中で生を受けても、その身体に「本能」として持ち続け、消えることはないのです。それゆえその変化に気が付いた時にはかなり厳しい状況になっていることも少なくありません。
もっと早く異変に気付いていたなら、いつもと違う様子に気付いていたなら…。何度そう悔やんだか分かりません。しかし、悔やんだところでその命たちは戻っては来ませんしクヨクヨ下を向いていて視野が狭くなったままではここにいる意味はありません。
限られた環境に生きる彼らがこの中で過ごす間、そして自分がここにいる間はせめて自分に出来ることを精一杯したい。
彼らの出す小さなサインに気付けるようにと誓う秋の日です。
Nのひとりごと
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2025年10月17日
秋
実りの秋。食欲の秋。読書の秋。スポーツの秋。
みなさんの秋の楽しみ方は何ですか?
私にとっては少しさびしい秋になりました。
先日、新聞を読んでいると訃報の欄に目が留まりました。
「10月1日、動物行動学者ジェーン・グドール氏91歳で死去」
最近はメディアなどに登場する機会が少なくなっていましたが、
動物園、特に霊長類に関心のある人ならば知らないはずがないレジェンドです。
グドールさんは1934年にイギリスのロンドンで生まれ、
1960年からアフリカのタンザニアにあるゴンべ国立公園で
野生のチンパンジーの観察、調査研究を始められています。
動物園で行うイベントに「世界チンパンジーの日」がありますが、
これはグドールさんが1960年7月14日にゴンべ国立公園に
初めて足を踏み入れた日を記念して制定されています。
グドールさんが調査研究を開始された当時は
道具を使うことができるのは人間だけと考えられていましたが、
グドールさんの観察で野生のチンパンジーも器用に道具を使うことがわかり、感情や個性を持つことも発見されました。
世界で初めての発見は人々に衝撃を与え、動物たちに対しての考えや
人間とは何かという哲学にも大きく影響することになりました。
私が動物園で働きだした1980年代、今のように便利な情報システムはなく、
特に世界の野生動物に関係する書籍などは微々たるものでした。
1973年 (昭和48年)発行の著書「森の隣人 -チンパンジーと私-」は、
グドールさんが観察された記録が生々しく、まるで映画を見ているような感覚になり、気持ちがわくわくしたことを記憶しています。
現在、日本動物園水族館協会が将来構想にも掲げているアクションなどには早くから取り組まれており、
地球温暖化や森林破壊など環境問題にもずっと力を注いでおられました。
世界中での活動は情熱的で、
講演のために訪れていたアメリカ・ロサンゼルスで亡くなったらしいです。
知らせを聞いた時には少し感傷的な気持ちにもなりましたが、
グドールさんの情熱を思い起こして、
次世代への希望へと引き継げるようにしたいと思いました。
もし少しでも興味を持っていただけれたら、
みなさんにも自然保護や環境問題に目を向けていただきたいと思います!
ぶろぐのぐ
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2025年10月07日
動物専門員の日常#020 ~3羽で子育て?フラミンゴたちの不思議な行動~
なんとなく、長年の勘で「これってもしかして・・・」と思うことってありませんか?
う~~~ん??? 例えるならレーダーが働くというか、アンテナがぴんと立つというか
今日はそんなお話を。
時は遡り、ベテラン飼育員と一緒に繁殖に向けてあれやこれやと作戦会議を立てているときのことです。
そこで教えてもらったのは、ちょっと変わった3羽の関係性(*’▽’)
・ペア形成が上手なベニイロフラミンゴのオスとメスがいる
・そのペアに割って入り、子育てを手伝おうとするヨーロッパフラミンゴがいる
・なぜか3羽交代で卵を温めているので、通常より孵化が早い
とのことでした。
最後にさらっと一言。
「なんなら、フラミンゴミルクも3羽から交代でもらうから、ヒナの成長も普通より早い気がすんねんな~~~~~~」
・・・・・ん?、え、それってもしかして・・・・
「え、3羽で卵を温めているんですか?」
「どの、何歳の個体ですか?」
「フラミンゴにもシフト制みたいなものあるの?」
思わず、つぎつぎと質問をしてしまいました(笑)
う~~ん?これって・・・とても珍しい現象のような気がする。
少し文献を調べてみると“鳥類の協同繁殖”のキーワードが。
つまり、ペア以外の個体(ヘルパー個体)が抱卵と子育てに関わるという、なんとも不思議な繁殖形態のことです。協同繁殖自体はまれに報告例があるのですが、まさか王子のフラミンゴたちにそれらしき行動が見られるとは。
しかも別種で(;゚д゚)ゴクリ…そして今年もその珍しい行動が確認されました。
4月初旬にベニイロフラミンゴのペアの巣の周りをヨーロッパフラミンゴがうろうろと歩きまわっているのです。距離が近すぎるせいか、親鳥は警戒気味で翼を広げて卵を守っていました。
近づいては離れ、近づいては離れ…を繰り返し。なかなか諦めません。
ちなみに、このヨーロッパフラミンゴの個体番号は「H302」。1997年生まれ。メス。
フラミンゴの飼育下の寿命は平均40~50年と言われているため、ほどよいお年です。
(※一部、番号で個体を管理しています)
あるときに、親鳥の警戒が解け、自然な形でふわりと抱卵に入れ替わりが行われました。
そしてその日は3羽が交代でしっかりと温めていました。
「おぉ、これが噂の…」とテンション高く観察していたのですが、残念ながらその卵は翌日には破卵していました。
たまたまだったのかと思いつつ。
5月中旬にベニイロフラミンゴの同じペアが再び産卵し、今回もまた同じヨーロッパフラミンゴ(H 302)が抱卵に参加していました。
ところが、この2回目の卵もまさかのその日のうちに割れました。
しかも卵には、くっきりと嘴の跡が・・・・(´;ω;`)
温めようと「よいっしょ」と転がそうとしたときにうっかり強く差しすぎたのかもしれません。
H302ははりきって抱卵しようとしているけれど。
これは・・・親鳥にとってはもはやありがた迷惑なのでは・・・。
通常フラミンゴは1つのペアが1つの巣に1つの卵を産みます。
同じペアが複数回、産卵するのは抱卵中の卵を失ったり、ヒナの子育てに失敗した場合の“補充卵”であることがほとんど。
しかも、産卵は体力をとても使います。2回産んでいるこのペアのメス、さすがに今シーズンは産まないよね・・・と思っていたら。
なんと、7月3日に3回目の産卵を確認!
(すごい・・・体力ある・・・!)
まさに3度目の正直です。
「どうか今回ばかりは・・・」と思いながら、双眼鏡を覗いていたら、そこにはおなじみのヨーロッパフラミンゴのメス(H302)が登場。
いつものように近づいては離れ、近づいては離れ・・・を繰り返し。
なかなか諦めません。
この3羽の関係性っていったい・・・?
ただ、3度目の正直だったのか。
それとも偶然が重なっただけなのか。
7月31日にヒナが無事に孵化し、その後順調に育っており、親鳥とH302 のそばを離れて単独で行動しています。
飼育の現場では、不思議な出来事にたくさん出会います。
「なんとなく・・・これって・・・?」みたいな小さな感覚が後々に新しい発見や研究につながることも実はよくあります。
観察と記録の積み重ねは動物園が行う研究活動を推進する大きな力になります。
王子動物園での毎日の中にひそむ、「なんとなく・・・これって・・・?」を大切にしながら動物たちの知られざる姿を明らかにしていきたいと思います。
・・・いや、ほんと観察する時間がもっと欲しい(切実)
▼3羽が交代でヒナと一緒に行動をしている様子
動物専門員 あお

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