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最新ニュース

  • 2021年10月01日

    資料館レポ№13 ジャイアントパンダ日中共同飼育繁殖研究~みんなに愛され70年~

        ジャイアントパンダについては、神戸で1981年に開催されたポートピア81で飼育実績があり、金絲猴(きんしこう)をはじめ、中国との長年にわたる動物交流を行ってきたことを基盤に、神戸市では1993年から中国側と正式にジャイアントパンダの共同繁殖研究の協議を続けてきました。1995年の阪神・淡路大震災に発生により一時中断はしましたが、改めて、1998年に神戸市より申し入れを行いました。

     

        同年、7月に天津市との友好締結25周年記念事業のため、中国を訪問した当時の笹山市長が北京で中国側幹部に「震災復興に取り組んでいる神戸市民、特に子供のために、神戸でのパンダの共同研究をお願いしたい」と要望し、1999年、5月に共同研究意向書を締結し、パンダの来園が実現することとなりました。

    P.64 パンダ搬入

    <パンダ搬入>

        飼育員の中国での飼育研修や迎え入れるための獣舎整備を行い、ワシントン条約の許可の手続きを踏み、2000年7月16日、王子動物園に雄雌2頭のジャイアントパンダが中国四川省臥龍の保護研究センターよりやってきました。10年間の研究期間とその後5年間を2回延長し、現在に至っています。

    パンダ行列

    <パンダ館を行列が囲む>

     2000年来園当時の神戸はパンダの歓迎ムードが最高潮で、市バスや電車もパンダデザイン、パンダ音頭がつくられたり、パンダ関連の商品開発などジャイアントパンダ一色でした。7月28日、パンダ館がオープンし、一般公開の1時間前から行列ができ、その長さは300メートルもあったと記録されています。その後も、連日多くの入園者が列を作り、2000年度の入園者数は198万人を記録し、今も王子動物園の入園者記録となっています。

     

      2頭のジャイアントパンダは「コウコウ」と「タンタン」と命名され、中国から毎年、飼育員や専門家を招き、共同の飼育繁殖研究が進められてきました。

    2001.12撮影 タンタン アマ写真コンパンダ立ち姿2コウコウ

    <タンタン><コウコウ> ※来園当時

     2世誕生に向けた繁殖の試みが続けられましたが、自然交配が成功せず、2003年より人工受精での取り組みとなりました。5年の努力が実り、2007年に初の妊娠に成功するも死産という結果に 翌年には待望の赤ちゃんが誕生するも残念ながら4日目に死亡しました。原因は授乳不足と考えられました。  繁殖成功という結果は得られていませんが、この間様々な研究の結果から知見を得ることはできました。ジャイアントパンダは発情期が年に3日ほどしかないもともと繁殖が困難な動物ですが、人工繁殖の場合、この適期を正確に見つけることが大変重要となってきます。そのため、排卵日とその前後数日間しかない繁殖に適したタイミングを見極めるため、尿からの性ホルモンを分析する様々な方法を開発し、さらに、詳細な行動観察、膣細胞診断等の研究と併せて排卵日の推定が行えるようになりました。今後、繁殖研究が再開されれば、成功の確率は格段に高まっていると考えられます。

    パンダ 出産パンダ 出産

    <赤ちゃんをくわえて…抱きかかえる>

     現在、日中共同繁殖研究期間が終了し、「タンタン」が中国四川省に里帰りすることが決まっていますが、この高齢になるまで、21年間、王子動物園で暮らし、来園者や市民のアイドルであり続け、愛されてきました。感謝でいっぱいです。今、動物科学資料館では「タンタン」の特別展を継続実施中です。この歴史を今一度振り返り、タンタンへの思いを新たにしていただければと思っています。

    SHIRYOKAN

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