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2023年01月16日
エゾヒグマのロクジの移動について
エゾヒグマのロクジは、去年より、後肢の衰えが見られるようになりました。
初めは後肢のつまずきが見られ、次第につまずいた後肢が踏ん張れず腰を落とすようになりました。
投薬を始めるも症状の悪化が進み、投薬の量が増えていきました。それでもロクジは日の当たる2階部分に上がって行きます。
もし坂の途中でよろめいて下に落ちて怪我をしても助けに行けません。そのため、クマ舎の北側にある段差の少ない獣舎に移動する事にしました。
ロクジの移動 (動画)
当日は麻酔をかけて移動用のゲージに入れ、クレーンで移動先の放飼場に下ろしました。
麻酔から覚めているものの、後肢に力が入らず、ゲージから出るのに時間がかかりました。
ぱくぱく (動画)
翌日から餌も食べだし、足の様子を見ながら外に出るようになりました。
でも今は立ち上がっても後肢を前に出せない時もあり、前肢だけで移動するときもあります。
足を引きずった時に傷ができないように寝室の床にはゴムマットを敷いています。
放飼場にも園内で集めた落ち葉を入れました。
運動量も減っているので、足の負担軽減のためにダイエットも始めました。
少しでもロクジが快適に生きていけるように色々と考えていきます。
ちなみにサトエですが、ロクジが居なくなり少し寂しそうです。
少しでも気を紛らわしてもらおうと色々放飼場に入れています。
今は少しは慣れてきたみたいです。
やん
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2022年11月25日
こんなことも
動物園の飼育係は掃除、餌やり以外にこんな事をしているという紹介をしたいと思います。
動物園の役割の中に調査、研究があります。飼育をして分かった事、経験した事、疑問などそれを他園と共有することが大切です。その場が近畿ブロック技術者研修会や全国技術者研究会です。種ごとに分かれたレッサーパンダ会議、ゾウ会議などもあります。
私は先日担当であるホッキョクグマの計画推進会議に参加するため、愛媛県立とべ動物園に行ってきました。
全国のホッキョクグマ飼育園館の飼育係や獣医師が集まり、現状報告や今後の課題点などを話し合います。
近年は新型コロナウイルスの感染予防のためリモートが多くなっていますが、対面の会議はリモートでは聞きにくい小さな事やホッキョクグマ以外の動物のことなど色々聞けます。会議が終われば情報交換会でその続きをします。日付けが変わっても、ホテルの部屋で話をする人たちもいます。
2日目は会議の続きをして、園内見学をします。ホッキョクグマ舎以外にも他に担当している動物舎なども案内してもらえます。
新しい知識、飼育方法のアイデアなど色々刺激を受けます。それを持ち帰り王子動物園に生かせられるようにしていきたいです。
やん