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2025年04月23日
アカカンガルー「カイ」について
入院舎で長年過ごしていたアカカンガルー「カイ」(オス・9歳)が、2025年3月21日に亡くなりました。死因はネフローゼ症候群(タンパク等が多量に染み出る疾患)の進行による循環不全でした。
「カイ」は、生涯の中で2回起立不能になり、2回とも治療とリハビリで再び歩けるようになったすごいカンガルーです。また、2024年3月からはネフローゼ症候群を発症していました。「カイ」は、入院舎に2021年から暮らしていて、ときには他のカンガルーたちと共に入院舎で過ごすこともありました。大人しくちょっと食いしん坊で、後から来たカンガルーをいつも迎え入れてくれるとても優しい性格をしていました。長い入院生活だったため、今でも入院舎を覗いたら「カイ」がいる気がしてしまいます。決して楽ではないカンガルー生を送ってきた「カイ」。とてもとても頑張ってきたのだと改めて感じました。
『「カイ」長い間お疲れ様、そしてありがとう。』
最後に…来園者の方たちからは見えない所にいる個体だったため、なかなか皆さんにお伝えする機会がなかったのですが、3月9日の大人のための動物園講座で「カイ」について皆さんに発表する機会がもらえたことはとても嬉しかったです。アーカイブ配信もあるので、ぜひ王子動物園の取り組みや、「カイ」を含めた動物たちの頑張りもみていただけたらと思います。
王子動物園 北園担当
(カイ 9歳)
(好物の白菜を食べているカイ)
(ほかのカンガルーと同居の時も)
(リハビリも頑張りました)
(都合が悪くなると寝たふりをするカイ)
(カイありがとう、またね)
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2025年04月22日
沼る
春休みも終わった動物園では桜の花びらが盛んに散っています。のんびりと歩いていたら、
「あれっ!」
いつも見るタンポポとは… 花びらが白くて、中央が淡い黄色。
なんだこれは!?と急いでスマホで撮影し、すかさず検索!
便利な時代になりました。
日本の自然の中で昔から自生している在来種(ざいらいしゅ)「シロバナタンポポ」でした!
こちらがよく見るタンポポ。
鮮やかな黄色のタンポポは、在来種の「カントウタンポポ」と
ヨーロッパなどが原産地の外来種(がいらいしゅ)である「セイヨウタンポポ」です。
見た目はほとんどそっくりな種類のタンポポですが、
在来種と外来種のちがいは、花の下にある「総苞(そうほう)」という緑の部分で、
一般的には下向きに反り返っている種類の方が外来種のタンポポと言われています。
いろいろ調べてみると、最近は在来種と外来種の雑種化も急速に拡大しているそうで…
ほんわかとした気分のままのタンポポばなしではなくなりそうです。
外来種については時々ニュースなどでも問題にはなりますが、
身近な風景が生態系や環境問題にまでつながってしまうと少しさびしくなります。
でも、大事にしたい身近な自然の未来についてもう少し深く考えながら、
しばらくタンポポの花の下側を気にして歩いてみようかと思います。
ぶろぐのぐ
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2025年03月31日
また明日ね
たんたんさんが旅立ってから、今日で一年が経ちました。
しかし僕は『#たんたんさんとの思い出』の為、写真を見返していると、「そうかあの時はあんな事があったな、あの時は大変だったな」等、色々な事を思い出しながらの毎日だったので、この一年はあっという間に感じられました。
昨年の3月に『#きょうのタンタン』を休止し、まもなくたんたんさんが旅立ち、その後は皆さんから沢山の声を聞かせて頂きました。
急な話でもあり、当然ですが皆さんすぐに受け入れる事が出来ない様子に思えました。
実際にずっと近くで見て来た僕自身もそうでしたから、皆さんはより受け入れる事は難しかったと想像します。
そんな色々な声を聞かせてもらっている中で、ずっと近くでたんたんさんを見て来た僕だからこそ、皆さんに何か出来る事があるんじゃないだろうかと考えました。
そうして始めたのが『#たんたんさんとの思い出』でした。
『#きょうのタンタン』を始めた理由は皆さんにタンタンをもっと知ってほしいと言う理由からでした。
そうしてX(旧Twitter)を通して、僕の予想を大きく超えるほどタンタンと言うジャイアントパンダの存在は広がっていってくれました。
これはひとえに応援してくれた皆さんのおかげだと思います。
そうして繋がってきた今だからこそ、今度はX(旧Twitter)を通して、僕が皆さんの力になれないだろうかと考えました。
そうしてスタートした『#たんたんさんとの思い出』の中では、
皆さんから沢山の声を聞くことが出来ました。
やはりたんたんさんは皆さんからとても愛されていたんだなと改めて実感したのと同時にとても大きな悲しみも感じられました。
それでも時間と共に少しずつですが皆さんから前向きな言葉を聞ける様になり、少しでも『#たんたんさんとの思い出』が皆さんの力になれている事が、僕にはとても嬉しかったです。
そうして約一年間続けてきました『#たんたんさんとの思い出』ですが、事前にお伝えした通り本日3月31日を持ちまして幕を下ろしたいと思います。
『#きょうのタンタン』、『#たんたんさんとの思い出』とここまで長く続けてこられたのも、皆さんの応援のおかげです。
ここまで応援して頂き、本当にありがとうございました。
しかしたんたんさんの投稿が終わったからと言って、皆さんの中からたんたんさんとの思い出が消える訳ではありません。
僕にとってもたんたんさんと言う存在はとても大きなものとなり、これからも僕の中で思い出としてだけではなく、飼育係の経験としても生き続けて行くでしょうし、皆さんの中でもこれからも色々な形で残っていってくれればと思います。
それでは最後になりますが、今まで本当に長くお付き合いいただきありがとうございました。
そして皆さんの『明日』を願い、最後はあの言葉で締め括りたいと思います。
たんたんさん、そしてずっと応援してくれたみなさん、『また、明日ね』
うめもと りょうじ
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2025年03月31日
「BE KOBE」
3月21日は王子動物園の開園記念日でした。
1951年の開園から今年(2025年)で74周年となりました。
開園記念日の当日は気持ちの良い快晴で、気温も一気に上昇。
春らしい陽気に包まれた穏やかな一日でした!
この時期冬から春へと季節は移り、新年度という節目の時にもなるので、
卒業式や入学式、新社会人といったキーワードのニュースや、
桜の開花予想などもよく目にするようになりますね。
王子動物園も恒例の「夜桜通り抜け」が4月3日(木)4日(金)5日(土)の3日間で開催されることが決まりました。
ぜひホームページなどをチェックして、昼と夜の両方でたくさん楽しんで下さい。
元気いっぱいで愛くるしいホッキョクグマの「ゆめ」や
ようやく名前が決まった赤ちゃんコアラの「おうき(桜希)」も待っています。
(夜は動物たちはご覧いただけません)
ただし、人気の高いどうぶつたちの前は混雑する場合があり、
ご不便をおかけすることもあるかとは思いますが、
どうぞ、小さなお子様などにはゆずりあいなどのお心遣いをいただき、
マナーよく、多くの方に気持ちよく楽しんでいただきたいと思います。
阪神・淡路大震災から20年をきっかけに生まれた「BE KOBE」。
「神戸の魅力は人である」というメッセージが、
神戸らしさや王子動物園らしい魅力にもつながればと思います!
ぶろぐのぐ
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2025年03月09日
ZiZi通信 No.91 テナガザルであーでもない....
ZiZi通信 1年ぶりのアップです。
今回はテナガザルの遊具?木組みの取り換えをしましたのでその件を....
以前は木で組んでいました。木は腐り劣化しますので更新です。
飼育担当とあーでもないこーでもないと考えます。
木組みは雨ざらしなので、数年で劣化してしまうので鉄管で作ることにしました。
鉄管は日光で熱くなるので、遮熱塗料で温度上昇を防止します。
ホントは木がいいのはわかっていますが、テナガザルが齧るから防腐剤も使えないでしょ。
竹ひごでイメージをいろいろ作りました。
結局この3タイプに決まりました。
出来上がりはシンプルで空間が広くなりました。
初めて運動場にテナガザルが出るときは緊張です。
ゆっくりブラキエーションして、チョンと足で触ってくれました。
ゆっくりでいいから早く慣れてね ❣
ZiZi1号
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2025年02月20日
発表会
すでに動物園のホームページなどでお知らせしていますが、3月9日(日)に第45回「大人のための動物園講座」を開催します。
今回の内容は、この1年間に動物園スタッフがさまざまな専門の会議に出席して発表した研究の成果について、みなさんに分かりやすく紹介しようという企画です。
ご存知の方もいらっしゃるでしょうが、動物園には大きく4つの役割があります。
① 種の保存
地球上の野生生物を守り、次の世代に伝えていく
② 教育・環境教育
動物の生態を理解したり、生息する場所を守るために必要なことを考える
③ 調査・研究
動物の生態をよく知り、快適な生活ができるように詳しく調べる
④ レクリエーション
動物園で命の大切さや生きることの美しさを感じながら楽しく過ごす
動物園は毎日飼育している動物たちに幸せになってもらいたいと色々なことも考えていますが、これらの役割にも積極性に取り組みながら、動物園や大切な地球のよりよき未来をめざして頑張っています。
今年、王子動物園のスタッフがその成果として大事にまとめてきたものが、
①「床材導入によるアジアゾウの睡眠様行動の変化について」
②「後躯不全麻痺のアカカンガルーのケアについて」
③「三次元網状繊維構造体マットを使用したエゾヒグマの褥瘡治療の一例」
④「動物園内でのタイワンタケクマバチ(外来種)の出現と対策について」
⑤「歩行困難なガチョウに対する東洋医学を応用した徒手療法の一例について」
⑥「園内死亡野鳥における高病原性鳥インフルエンザの発生事例について」
などなどです。
難しそうな言葉が多くて面白くなさそうと思わないで下さいね。
毎月子どもたちにも楽しんでもらえるイベントをたくさん催している優秀なスタッフが、今回は大人のみなさん限定で満足させることは間違いなしなので!
是非とも参加してみて下さい!
対象が15歳以上の方になりますが、神戸市公式イベントサイト「おでかけKOBE」から今週の23日(日)まで申し込みを受け付けております。
https://www.kobe-ojizoo.jp/event/detail/?id=588
さて先月お知らせした梅のつぼみは…
咲きだしましたよ!
ぶろぐのぐ
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2025年01月14日
冬の使者
ついにこの冬はじめて、その姿をとらえることに成功しました!
それは、
「イカル」
美しい鳴き声の冬鳥です。
冬鳥の多くは秋に日本に渡ってきて冬を越し、春になるとシベリアなど北の方に渡っていきます。
代表的な冬鳥の仲間にはオオハクチョウやツグミ、当園で展示しているオジロワシなどがいます。
イカルはスズメ目アトリ科の鳥で、太くて大きな黄色いくちばしが特徴的で、全長(大きさ)は23㎝くらいあって、スズメやツバメなどよりも少し大きいです。
ムクノキやエノキの木の実を好んで食べる習性があるので、毎年冬になると当園にもやってきて器用についばんでいます。
季節はまもなく「大寒(だいかん)」。
暦の上では一年で最も寒い時期になりますが、昼間の時間は少しずつ長くなっていますね。
梅のつぼみも少しずつ膨らんでいるような…
ぶろぐのぐ
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2024年12月18日
師走
先月の終わりくらいから寒さが本格的になり始めましたが、その頃の動物園ではお客様が写真撮影に夢中になっている姿が目立っていました。 撮影した写真を見せていただいたわけでもないので、何を撮っていたのかは定かではないのですが…
カメラの向いている方向から想像してみて「パシャリ」…
ウーン、こんな感じかな⁉
きっと短い秋を楽しんでおられたのでしょうね!
でも、季節はあっという間に12月です!
木々の落葉も盛んになってきました。
今年も残すところあと少し。
少し早いですが来年も王子動物園と動物たちをどうぞよろしくお願いいたします。
来年もこの動物園でみんなず~っと一緒に楽しく過ごせますように!
ぶろぐのぐ
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2024年10月16日
気分は新人飼育員⁈
この6月からジャイアントパンダからゾウと円形猛獣舎に担当が変わる事になりました。担当動物が変われば当然ですが、今までの作業内容も変わる訳で、16年間ジャイアントパンダの担当をしていたので他の動物なんて久々すぎて忘れていましたが、20年以上飼育をしてきても、新しい担当になれば新人さんと同じでまた一から覚えていかないといけないんだなと改めて思わされました。
覚えなければいけないと言うのは、作業であったり、新しい担当動物の餌や生態などであったり、担当動物、相方さんや班の人とのコミュニケーションであったり色々な事をまた一からスタートすると言う事なんですが、大変な反面、新たに担当動物が変わると言うのもまた楽しいものです。
最初は新しい環境や作業についていくのがやっとでしたが、最近は少し落ち着きやっと担当動物達をゆっくり見る余裕が出てきたなと思っています。
その中で最近はゾウの馴致(ハズバンダリトレーニング)のお手伝いを少しずつさせてもらっていますが、やっぱり動物との信頼関係を作っていかないと難しいものだなとこちらも改めて感じています。
ジャイアントパンダの「タンタン」とは16年一緒に過ごしてきたので、同じ馴致でもかなり言う事を聞いてくれていたのですが、まだたかだか4か月程度の関係では当然タンタンほどの信頼関係など築ける訳もなく、僕が指示を出しても中々聞いてくれないのが今の現状です。
まぁ、これは他の先輩達と比べれば当然の事なのでまた新しい担当動物達ともこれからゆっくり時間をかけて信頼関係を築いていければと思っています。
当園ではゾウの馴致を11:30、14:30と行っています。
(*動物の状態によって変更する事もあります。)
と言う事なのでもし当園に遊びに来られた時に、僕が馴致を行っているのを見かける事があって、ゾウが中々言う事を聞いていなくても温かい目で見守って頂けるとありがたいです(笑)
うめもと りょうじ
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2024年10月09日
50-50
毎日ニュースなどのメディアでにぎわせているメジャーリーガーの「大谷翔平」さん。
本塁打と盗塁の同時記録で史上初の「50-50(フィフティ、フィフティ)」を達成しても、さらに記録を更新し続けて私たちにたくさんの元気を与えてくれています。
そこで今回、
「大谷翔平」さんにあやかって動物園の動物たちにも「50」という数字に関係するものはないかと考えてみました。
年齢で「50」才、動物たちではかなりの高齢で…
じゃあ身長や体重は⁉
赤ちゃんが生まれるまでの妊娠期間や、鳥などの卵が孵化するまでの抱卵期間は⁉
う~ん、などと頭をひねっていると…
あっ!ありました!
びろ~んと長いキリンの舌
なんと50㎝もありました!
さらに、野生のキリンが自然の中で走るスピードは時速でなんと50km/hになるとのこと!
すごい!キリン「50-50」を達成です!
…などとバカげた話しですみません。
でも、動物たちの素晴らしい能力や、特徴のある体のしくみなどを調べてみたり、色々と考えてみたりすると案外おもしろくて、楽しいものですよ。
みなさんにもぜひおすすめします。
普段と違った見方でさらに動物たちへの興味が増してくれるとすごくうれしいです!
ぶろぐのぐ
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