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最新ニュース

  • 2025年08月17日

    ゆめのトレーニングと健康管理

    久々の投稿となります。

    今回はホッキョクグマ「ゆめ」のトレーニングと健康管理についてです。

     

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    「ゆめ」のハズバンダリートレーニング(以下、トレーニング)は、採血を目標として「ゆめ」・飼育・獣医で一年以上前から取り組んでいました。

     

    ただ、皆様ご存じのとおり「ゆめ」はかなりアクティブ(おてんば?)なので、トレーニング中もソワソワ、ガウガウ、強化子(ご褒美)クレクレ、といった感じで3歩進んで2歩下がるトレーニングを積み重ねてきました。詳細な経過(苦労話?)はいつか飼育担当が語ってくれると思います。。

     

    諸々の脱感作(慣れ)、強化子変更、設備工夫、獣医療器具変更等によって、ようやく十分量の採血に成功したのが8/14(木)でした。痛みが少ない方法で実施しているので「ゆめ」は採血中も通常運転のガウガウ・クレクレといった様子で、採血後も「もう(強化子)終わり?」という表情でした。

     

    血液検査で異常値(脱水・臓器障害・電解質異常等)はなく、「さすが若いから健康やねー」という会話を担当者としていました。そして偶然ですが、その日の午後に「ゆめ」が不調ということで診察依頼が入りました。

     

    「午前中元気やったのに、どしたんやろ」と考えながら駆けつけ、寝室の「ゆめ」を診てみると歩様異常がありました。その歩様から腰を痛めたのでは?と仮診断し、投薬+運動制限(室内休養)を実施しました。おそらく原因は展示場ではしゃぎすぎて腰をぐねったか、強打したと推定しています。

     

    なお「ゆめ」自身は投薬1時間後には、ケロっとしており採餌も歩様も通常でした。薬の効果なのか、自然治癒かの判断は難しく、状況注視のため翌日も室内休養としました。当然ながら「ゆめ」は室内休養の目的は理解していないので「外に出して!!」と言わんばかりの様子でした。夏場は冷房の効いた室内と屋外との出入りを自由にしており、「ゆめ」は自分のペースで出入りしていますが、快適な気温であっても室内でジッとし続けるのは苦手なようです。

     

    室内休養の間は診察頻度も高めていましたが、診察のたびに前肢についた水をピチャっとかけられ、ユメの独特の匂いが、、まぁ元気な証拠なので良いんですけど。。運動制限という健康管理手法は動物園では中々難しいものです。

     

    そして翌々日の16日の朝の様子と、これ以上の室内休養はかえってストレスになりかねないとの判断から、屋外放飼を決定しました。寝室から屋外展示場に出る「ゆめ」に対する私の感情は「はしゃぎすぎんといてよ~」という、通常の治療個体への感情と真逆のものでしたが、いきなりプールに飛び込むこともなく、陸上のエンリッチメントツールの中のペレットを探索・採餌(X添付動画)→その後プールに入り陸上同様にエンリッチメントツールの中のペレットを探索・採餌していました。まだ100%安心というわけではありませんが、引き続き「ゆめ」の状態を見ながら適切に飼育管理を行っていきます。

     

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    今回は血液検査が出来ていたおかげで診断を絞りやすく、改めてトレーニングの重要性を痛感しました。なお、クマ科のトレーニング下採血はタンタンから始まり、サトエ→タケ→ロクジ→ゆめと採血可能個体が徐々に増えています。手技の基本は確立しており、各個体の特性と施設の形状に応じて手技を改良しながら実施しています。診療が忙しく、なかなか獣医療に関する投稿は難しいのですが、また時間が出来れば色々な動物種のトレーニングや体調管理方法も投稿出来ればと思います。

     

    王子の獣医   

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