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2025年05月30日
~おなじそらのした~
朝夕の寒暖差もありますが、ようやく春、いやむしろ「初夏」のような連休明けの日差し。
もう少しゆっくりとうららかな季節を感じたいものです。
園内に足を踏み入れると、まずは目にも鮮やかなフラミンゴたちがお出迎え。繁殖シーズン真っ盛りの彼等はその羽の色を一層鮮やかにして意中の相手にアプローチしたり賑やかに鳴き交わしたりとっても印象に残りますよね。
「あぁ。動物園に来たな~」と視覚・聴覚・そして嗅覚で感じさせてくれます。
道なりに西に進むもよし、ですがそのままフラミンゴ池を北上すると目の前には何だかネットにおおわれた大きな囲いが見えてきます。「何がいるのかな?」という来園者の声がよく聞かれるそこには【水禽舎=すいきんしゃ=】という主に水辺に暮らすカモたちが飼育されている獣舎があります。
主に水辺、と言いましたが、「見目麗しいインドクジャク」や「ファンキーな頭の冠羽(かんう)が特徴的なカンムリヅル」も一緒に暮らしている鳥たちみんなに優しい?そんな獣舎なのです。
水禽舎の北側には入り口があり、中に入ると観覧テラスになっています。
鳥たちが暮らす空間の中に入るため、時には間近に鳥たちを観察することが出来ます。
しか―し…!
ほとんどの場合は近くに鳥たちの姿はなく…
たとえ見つけても寝ている姿しか見えない…
遠くの茂みに隠れていてよく見えない…
せっかく来たのに…。
などなど。まさに「動物園あるある」ですね。
動物園に来たら図鑑やテレビで見るだけの動物たちを目の前で、生き生きとした躍動感あふれる姿に出会える!って思いますよね。
私も以前はそう思っていました。
ですが、飼育員として彼等に間近に接し、向き合うなかでそうではないと感じるようになりました。
自然の野生下で暮らす特に捕食される側にいる彼等の姿はというと、敵から命を守るため身を隠す、捕食者においてもできるだけ省エネのため無駄に動かないのが本来の姿。
そのため、動物たちはあまり目立って動き回るよりも物陰に隠れていることが多いのです。
動物園で暮らす動物たちの中には長い間の飼育環境になじみ、あたかも「飼いならされた感」がにじみ出るものもいます。が、一見なつっこい様子を見せる彼等でも脈々とその身体になかに野生の血が、DNAが存在するのを痛感する場面に出合います。鳥類などは普段は至近距離に近づくことができていても“繁殖シーズン”を迎えると豹変することがあります。
繁殖パートナーを守る。生まれた命を守る。その身に変えてでも「守るもの」ができたとたん、彼等は命がけでこちらに向かってきます。そんな彼等に時折身の危険を感じつつも、その様子に胸が熱くなるのです。「本能は受け継がれている」と。
彼等のそんな野生に近い状態を見ていただくために、普段から彼らの様子を観察し、生活環境が少しでも良くなるように心を配りつつ。
木の陰にうずくまる彼等の邪魔をしないよう落ち葉を集めた水禽舎での日常でした。
限られた忙しいタイムスケジュールをこなす中で、時にはそんな彼等のまったりとした姿をみて、「ゆっくり流れる動物園タイム」を過ごしてみてはいかがでしょうか。
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