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2017年03月31日
えんちょうさんぽ80 「最終回」
えんちょうさんぽシリーズとして3年間書かせていただきました。皆様に動物園の情報を提供し、魅力を高めることができればとの思いでやってまいりました。私はこの3月をもって定年退職となり、今回をもって最終回になります。
いままで、ご覧いただいた皆様、本当にありがとうございました。
スタッフブログはまだまだ続きますので、ぜひ、引き続きご覧いただきますようお願いいたします。
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2017年03月10日
えんちょうさんぽ79 「高齢動物のケア」
野生と違い、栄養や健康管理、外敵がいないなど動物園では長生きする動物が多いのですが、そのケアは動物によって違いがあります。獣医は工夫をし、手間をかけケアをしていますが、オオアリクイのグァポもその例です。
寿命が16年といわれており、グァポは1996年3月生まれの21歳、長生きです。
毎日、床ずれの治療に動物病院の獣医が朝9時ころ往診に来ます。いつもは寝ていて寝ぼけている間に治療を済ませるのですが、今日は私が撮影に入ったので、起きてしまいました。
両前足外側に床ずれが原因と思われる傷があり、高齢で毛も少なくなり、傷の治りも遅くなっているようで、毎日治療しても完治は難しいようです。これ以上悪化しないよう、また、生活に支障がないよう最善を尽くしています。
まずは傷口の洗浄です。
次にヨード剤入り軟膏をつけて、傷口をカバーします。
クッション材をまいて包帯処理します。
後ろ足にも傷があり、特注のサポーターで保護しています。
治療の後はお楽しみのお食事です。
レシピです。
野生ではアリ塚を強力な前足で壊して、60cmもある長い舌を使って、アリを食べるのですが、動物園ではその代わりとして、ヨーグルトや鶏肉ミンチを与えています。
アリと蟻酸に近い味、食感を出すようにしています。また、運動不足、高齢対策としてカルシウムも添加補助しています。
昼間に飼育員が運動場に入ってケア
動物園動物は動物園が生活の場所
動物の生活の質を考え、少しでも長生きして元気な姿をお客さんに見ていただけるよう
飼育ケアや獣医療は大切です。
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2017年02月16日
えんちょうさんぽ78 「売れ筋商品」
動物園に来たなら、お土産にグッズやお菓子を買って帰りたくなるものですが、今回は、王子動物園のショップをご紹介しましょう。パンダプラザは入園ゲート入って右のゾウ舎南側にあります。
大きなパンダのぬいぐるみが目印です。これは売り物ではありません。
なお、もう1軒、遊園地の中にこどもプラザもあります。
お土産に人気なのはやはり、ぬいぐるみ 王子に来たならとやはり売れ筋はパンダ
中でもたれ目がかわいい小ぶりなぬいぐるみが人気NO1(1,160円)
他にも、レッサーパンダや(2,050円)コアラ(右3,890円、左1,490円)のぬいぐるみも人気です。
お菓子では何が売れ筋でしょうか。
王子では長年、定番の「パンダサブレ」 10枚入り490円、6枚入り270円とお求めやすさも選ばれる理由でしょう。
売上NO1は「オリジナルバームクーヘン」(12個入り 600円)箱もかわいらしいパンダデザインです。
「パンダさんコアラさんプリントクッキー」も新商品で人気があります。24枚入り980円、12枚入り550円
次にオリジナルグッズを見ていきましょう。
嵩ばらず、多くの人にお土産を送る場合はパンダとコアラのフェイスタオルが最適です。1枚440円
ここだけ「アニマルストラップ」は17種類あり、売れ筋用品です。1本440円
やはりここでも人気はパンダ
「オリジナルキラキラミラーストラップ」(540円)は女の子に大人気です。
かぶり物も多く揃えています。人気なのが「ふわふわアニマル帽子」1個1,080円
また、動物園を歩き回り、少し休憩したいときには、入れたてのホットコーヒー(200円より)がセルフで飲めます。
動物園にお越しの際はぜひショップの方にもお立ち寄りください。
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2017年02月01日
えんちょうさんぽ77 水禽舎のようす
高病原性鳥インフルエンザが国内各地で発生しており、動物園でも被害に遭ったところがありました。
王子動物園も警戒レベルを上げ、対策を強化しています。来園者の皆さんには入園時の消毒や一部観覧制限をさせていただいてますので、ご迷惑・ご不便をおかけしております。
さて、鳥の様子を中に入って観ることができると好評の水禽舎ですが、現在、内部への入場は制限しています。それを知ってか、鳥たちは観覧テラスを我が物顔で散歩しています。インドクジャクは羽根を伸ばして(広げて?)くつろいでいる様子でした。
でも、早く鳥インフルが終息して、園内の鳥たちが安全、安心できるよう また、テラスに入場していただけるよう願っています。
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2017年01月14日
えんちょうさんぽ76 動物園を考えるⅣ
今回は動物園の運営、収支について考えたいと思います。
公立の動物園の多くは社会教育施設として、たくさんの人に利用してもらい、生きている動物を通じて、自然環境や命の大切さなど学ぶことを目的に存在しています。したがって、王子動物園の場合も民間などに比べ、リーズナブルな入園料で運営しており、かつ子供や県内在住の高齢者は減免してます。
自治体財政が厳しい現状の中、施設の老朽化への対応や新たな動物展示など困難な課題も克服しなければなりません。
まず、収入ですが、主な収入源は入園料、駐車場、遊園地・レストラン等の施設使用料です。
ざっくりと 入園料が3億円、駐車場収入1億円、その他で1億円の計5億円です。
大人入園料比較
① 公立動物園
王子動物園 600円
天王寺動物園 500円
京都市動物園 600円
② 民間動物園
アドベンチャーワールド 4,100円
神戸どうぶつ王国 1,500円
姫路セントラルパーク 3,100円
③ 水族園
海遊館 2,000円
須磨水族園 1,300円
鳥羽水族館 2,500円
支出は約7億円ほどで、そのほとんどは動物のエサ代、水光熱費、施設の維持・補修など動物飼育関連の費用で7~8割を占めています。
支出から収入を引いた2億円が市税からということになりますが、これには直営職員の人件費が含まれていませんので、それらを含めれば、5~6億円ということになります。
今後も、王子動物園が持続して発展していくためには、必要な投資と収益性を合わせて考えていく必要があります。
地域で愛され、親しまれ、65年経ちました。これからの人口減少、少子化時代にも引き続き「行きたい動物園」になるために様々な検討と努力が必要になってきています。
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2016年12月24日
えんちょうさんぽ75 「私もお手伝いするゾウ」
落ち葉がたまり、掃除も大変です。獣舎の中の掃除は飼育員の仕事なので、手すりの中の落ち葉の掃除をしています。
それを見ていた(?)ズゼはいつもお世話になっている飼育員さんのために私も協力するわ
と モートの中の落ち葉を鼻息で集めて、鼻で巻き上げました。
最後は口へ
食べたかったんか
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2016年12月08日
えんちょうさんぽ74 「もちつき大会」
灘区で62年も続いているもちつき大会があります。今日は天気にもめぐまれ、日本の文化に触れようと留学生も参加して行われました。
かつては動物園内で実施していた時期もあったそうですが、今は入園ゲート前の駐車場で行われています。灘区は神戸の中でも特に地域のまとまり、活気がある地域力の高い街です。
保育園児が1000人ほど集まり、餅つきや出来立てのきなこ餅をおいしそうに食べていました。
おもちを食べた後は、お楽しみの動物園見学です。
白バイ、パトカーや消防車も止めてあり、体験乗車もさせてもらえるようです。
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2016年12月01日
えんちょうさんぽ73 動物園を考えるⅢ
王子動物園で展示してきた動物数は過去どのように推移してきたのでしょうか。
飼育動物数の推移 年度 哺乳類 鳥類 は中類 両生類 合計 種類数 点数 種類数 点数 種類数 点数 種類数 点数 種類数 点数 1950 22 61 21 106 3 12 46 179 1955 42 201 60 195 10 71 112 467 1960 58 182 75 294 13 170 146 646 1965 51 137 90 299 9 65 152 501 1970 74 213 88 356 8 51 170 620 1975 69 245 132 582 13 126 214 953 1980 71 329 118 575 15 105 204 1009 1985 69 281 107 502 10 100 1 2 187 885 1990 59 399 101 626 12 88 1 8 173 1121 1995 77 440 112 774 23 122 2 6 214 1342 2000 73 378 78 374 18 77 1 1 170 830 2005 66 332 71 443 17 63 154 838 2010 63 320 60 399 26 86 149 805 2015 56 305 60 414 20 98 136 817 開園当時は前身の諏訪山動物園から連れてきた動物を含めて46種179点で始まりました。その後、1995年くらいまでは年度によって増減はありましたが、種類、展示数も増加傾向にありました。2000年以降は減少が続いています。
1973年に世界的な動植物の野生保護の観点からワシントン条約が採択され、1975年に発効し、1980年日本が批准しました。その後、規制の強化が続き、現在では、野生から動物園が動物を導入することは一般的にありません。
また、近年では中国など経済発展を遂げた国では動物園での動物収集が盛んで、動物の購入費用が高騰しています。
王子動物園で今後の獣舎整備や動物コレクションプランを検討するうえで、継続飼育可能な動物種の見極め、動物福祉に配慮した獣舎面積等の確保、群れ飼育など動物の社会性の考慮などをキーワードにして、限られた敷地を有効利用し、魅力的な動物展示や効率的効果的な動物繁殖を実現していく必要があります。そのためには、必然的に種類、点数の絞り込みは実施していかなくてはなりません。
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2016年11月26日
えんちょうさんぽ72 「動物園の紅葉」
ここ数日、寒さが厳しくなり、動物園の木々も落葉が多くなっています。この時期、落ち葉を清掃する人たちは大変です。
そんな中、まだ、落葉せず、西日に黄色く輝く銀杏の大きな木がありました。コアラ館の入り口付近です。
掃除は大変だけど春の緑と秋の紅葉、動物園でも楽しめます。
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2016年11月01日
えんちょうさんぽ71 動物園を考えるⅡ
全国の動物園の入園者数のランキングを見てみましょう。
動物園の評価は入園者数だけでは測れませんが、たくさんの人に動物園に来て楽しく学んでもらうというコンセプトを達成するためには重要な評価点です。
全国の動物園のH27年度入園者数
順位
動物園名
入園者数(A)[万人]
都市名
人口
(B) [万人]
A/B
×100
1
上野※
397
東京都
921(23区)
43.1
2
東山※
258
名古屋市
230
121.7
3
天王寺※
173
大阪市
270
64.1
4
旭山※
152
旭川市
34
447.1
5
王子※
125
神戸市
154
81.2
6
東武
123
7
ズーラシア※
122
横浜市
373
32.7
8
京都市※
121
京都市
148
81.8
9
アドベン
117
10
野毛山※
110
横浜市
373
29.5
※は公立
平成27年度では王子動物園は全国5位ですが、入園者総数はその周辺の人口規模が大きくかかわっており、公立動物園の場合、その都市の人口規模が年間入園者数の目標値とされてきました。王子動物園の場合は達成率は81%です。
ここにショッキングな数値があります。兵庫県が発表している人口の将来予測です。日本は人口減少期に入っていますが、日本の縮図といわれる兵庫県では2010年の559万人から2040年には467万になると推測されています。減少率は16.5%ですが、さらに驚くのは15歳以下の年少者の人口が76万1千人から47万2千人に約4割減少するという予測です。子供が来園者の中心である動物園では大きな課題です。王子動物園も約4割をこの層が占めています。
アンケート結果から見ると王子動物園の来園者リピーターが多く、その割合は7割以上で、4人に1人は10回以上来園したと答えています。将来の人口減少、子供の激減を考えれば、さらに、大人の人に何度も来てもらえる動物園になっていく必要があると思っています。
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