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最新ニュース

  • 2025年11月07日

    ~11月19日は「世界アリクイの日」~ 日本のオオアリクイ飼育園館が初めて合同で保全啓発を実施します!

    毎年11月19日は「世界アリクイの日(World Anteater Day)」です。

    世界アリクイの日は、アリクイとその生息地が直面している脅威、そしてアリクイを守ることの大切さを世界に伝えるための日です。

     

    イベントロゴ

     

     この日は、アリクイの保全活動を行うブラジルのNGO「Instituto Tamanduá」と「Instituto Jurumi」によって2014年に設立され、国際自然保護連合(IUCN)のアリクイ専門家チームにも公式に承認されています。

     

    アリクイは有毛目アリクイ科に分類される哺乳類で、野生下のアリクイは生息地の減少や交通事故など、さまざまな脅威に直面しています。特にオオアリクイ(Myrmecophaga tridactyla)は国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで「絶滅危惧Ⅱ類(VU)」に分類されており、国際的な保全への取り組みが求められています(IUCN, 2025)。

     

    ①

     

    オオアリクイは日本動物園水族館協会(JAZA)で保全の優先度が高い動物種

     

    オオアリクイは日本動物園水族館協会(JAZA)のコレクションプラン種(※)の「管理種(JSMP)」に位置付けられており、国内での個体群管理・繁殖計画のもと、長期的な飼育・保全が進められています。

     

    ②

     

     

    ※保全上の必要性、教育的価値、学術的価値、展示効果その他の指標に基づき、継続的に飼育管理することが必要とされる種

     

    日本は7園で18頭を飼育、世界でも有数の飼育国

     

    現在、日本では7つのJAZA加盟園館で計18頭のオオアリクイが飼育されています(2025年10月現在)。一見少なく感じられるかもしれませんが、この飼育頭数は世界で第6位に位置しており、日本は世界有数の飼育国の一つです。

    そのため、日本におけるオオアリクイの継続的な繁殖や調査データの共有は、国際的な種の保全においても重要な役割を担っています。

     

     

    当園ではオオアリクイを2頭飼育しております。

    ③ブンバ

    (オス:ブンバ) 

     

    ④サニー

    (メス:サニー)

     

    7園合同による保全啓発活動を初実施

     

    今年、オオアリクイを飼育する全国7園が合同で、初の保全啓発活動を実施します。世界アリクイの日にあたる11月19日を中心に、ブラジルでオオアリクイの保全活動を行う野生動物保全研究(ICAS)の協力のもと、各園で共通デザインの展示パネル掲示やSNSでの情報発信、ガイドイベントなどが展開されます。

     

    王子動物園では、11月16日(日)にガイドイベントを実施します。ぜひご参加ください!

    詳細はこちら

     

    (公社)日本動物園水族館協会に加盟するオオアリクイ飼育園館
     ・静岡市立日本平動物園 
     ・江戸川区自然動物園
     ・よこはま動物園ズーラシア
     ・名古屋市東山動物園
     ・神戸市立王子動物園
     ・神戸どうぶつ王国
     ・沖縄こどもの国

     

    この機会に、ぜひ園を訪れ、実際のオオアリクイの姿を通してアリクイを取り巻く環境や保全の重要性に触れていただければ幸いです。

     

  • 2025年10月23日

    世界ユキヒョウの日

    今日は“世界ユキヒョウの日”

    絶滅の危機に瀕したユキヒョウの保全を考える日。

    2013年10月23日にキルギスのビシュケクという街で「世界ユキヒョウ保護フォーラム」が開催されたことを受け制定されました。

     

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    この日に向けユキヒョウの「ユッコ」について、ブログにしようかXにしようかそんな話をしたのはつい、先月の事。こんな日がこんなにも早く来るなんて夢にも思わずに…。

     

    少し気温の下がった爽やかな夜明け、とても静かな朝。                      

    ユキヒョウの「ユッコ」は穏やかに息を引き取っていました。

     

    円形猛獣舎のバックヤードはいつもなら個室の檻の中を鳴きながらウロウロしている猛獣たちもその日の朝はジッとし彼女の《死》を知ってか否か、とても静かな空間でした。

     

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    動物たちは本能的に《死期》を《命の終わり》を感じるものだと聞いたことがあります。

    生きとし生けるものみな平等にその鼓動の止まる時はいつか必ず訪れます。でもそれがいつなのかは明確には誰にも分かりません。

    ここで働いている間、突然その時は何度もやってきました。

     

    私たち飼育員は飼育動物の一番近くにいて、彼らの普段を観察し、いつもと違う様子があればそれに気付けるよう日々目を、心を配っています。常にすべての動物たちのそばにいることはかないませんが、具合が悪そうだったり様子の違いに気が付いたときは獣医師と一緒に様子を見たり治療をするかの相談をします。

     

    自然界では“弱っている姿をみせる=自らの命を危険にさらす”可能性がたかまります。

    表に出さないことが彼らの身を守る手段の一つでもあり、それは例え長く飼育下におかれていても囲いの中で生を受けても、その身体に「本能」として持ち続け、消えることはないのです。それゆえその変化に気が付いた時にはかなり厳しい状況になっていることも少なくありません。

    もっと早く異変に気付いていたなら、いつもと違う様子に気付いていたなら…。何度そう悔やんだか分かりません。しかし、悔やんだところでその命たちは戻っては来ませんしクヨクヨ下を向いていて視野が狭くなったままではここにいる意味はありません。

     

    限られた環境に生きる彼らがこの中で過ごす間、そして自分がここにいる間はせめて自分に出来ることを精一杯したい。

    彼らの出す小さなサインに気付けるようにと誓う秋の日です。

     

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    Nのひとりごと 

  • 2025年10月17日

    実りの秋。食欲の秋。読書の秋。スポーツの秋。

    みなさんの秋の楽しみ方は何ですか?

     

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    私にとっては少しさびしい秋になりました。

    先日、新聞を読んでいると訃報の欄に目が留まりました。

     

    「10月1日、動物行動学者ジェーン・グドール氏91歳で死去」

     

    最近はメディアなどに登場する機会が少なくなっていましたが、

    動物園、特に霊長類に関心のある人ならば知らないはずがないレジェンドです。

    グドールさんは1934年にイギリスのロンドンで生まれ、

    1960年からアフリカのタンザニアにあるゴンべ国立公園で

    野生のチンパンジーの観察、調査研究を始められています。

     

    動物園で行うイベントに「世界チンパンジーの日」がありますが、

    これはグドールさんが1960年7月14日にゴンべ国立公園に

    初めて足を踏み入れた日を記念して制定されています。

     

     

    グドールさんが調査研究を開始された当時は

    道具を使うことができるのは人間だけと考えられていましたが、

    グドールさんの観察で野生のチンパンジーも器用に道具を使うことがわかり、感情や個性を持つことも発見されました。

    世界で初めての発見は人々に衝撃を与え、動物たちに対しての考えや

    人間とは何かという哲学にも大きく影響することになりました。

     

     

    私が動物園で働きだした1980年代、今のように便利な情報システムはなく、

    特に世界の野生動物に関係する書籍などは微々たるものでした。

    1973年 (昭和48年)発行の著書「森の隣人 -チンパンジーと私-」は、

    グドールさんが観察された記録が生々しく、まるで映画を見ているような感覚になり、気持ちがわくわくしたことを記憶しています。

     

     

    現在、日本動物園水族館協会が将来構想にも掲げているアクションなどには早くから取り組まれており、

    地球温暖化や森林破壊など環境問題にもずっと力を注いでおられました。

    世界中での活動は情熱的で、

    講演のために訪れていたアメリカ・ロサンゼルスで亡くなったらしいです。

     

     

    知らせを聞いた時には少し感傷的な気持ちにもなりましたが、

    グドールさんの情熱を思い起こして、

    次世代への希望へと引き継げるようにしたいと思いました。

     

     

    もし少しでも興味を持っていただけれたら、

    みなさんにも自然保護や環境問題に目を向けていただきたいと思います!

     

     

    ぶろぐのぐ

  • 2025年10月07日

    動物専門員の日常#020 ~3羽で子育て?フラミンゴたちの不思議な行動~

    なんとなく、長年の勘で「これってもしかして・・・」と思うことってありませんか?

    う~~~ん??? 例えるならレーダーが働くというか、アンテナがぴんと立つというか

    今日はそんなお話を。

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    時は遡り、ベテラン飼育員と一緒に繁殖に向けてあれやこれやと作戦会議を立てているときのことです。

    そこで教えてもらったのは、ちょっと変わった3羽の関係性(*’▽’)

    ・ペア形成が上手なベニイロフラミンゴのオスとメスがいる

    ・そのペアに割って入り、子育てを手伝おうとするヨーロッパフラミンゴがいる

    ・なぜか3羽交代で卵を温めているので、通常より孵化が早い

    とのことでした。

    最後にさらっと一言。

    「なんなら、フラミンゴミルクも3羽から交代でもらうから、ヒナの成長も普通より早い気がすんねんな~~~~~~」

     

     

    ・・・・・ん?、え、それってもしかして・・・・

    「え、3羽で卵を温めているんですか?」

    「どの、何歳の個体ですか?」

    「フラミンゴにもシフト制みたいなものあるの?」

    思わず、つぎつぎと質問をしてしまいました(笑)

     

    う~~ん?これって・・・とても珍しい現象のような気がする。

    少し文献を調べてみると“鳥類の協同繁殖”のキーワードが。

     

    つまり、ペア以外の個体(ヘルパー個体)が抱卵と子育てに関わるという、なんとも不思議な繁殖形態のことです。協同繁殖自体はまれに報告例があるのですが、まさか王子のフラミンゴたちにそれらしき行動が見られるとは。

    しかも別種で(;゚д゚)ゴクリ…

    そして今年もその珍しい行動が確認されました。

    4月初旬にベニイロフラミンゴのペアの巣の周りをヨーロッパフラミンゴがうろうろと歩きまわっているのです。距離が近すぎるせいか、親鳥は警戒気味で翼を広げて卵を守っていました。

    近づいては離れ、近づいては離れ…を繰り返し。なかなか諦めません。

    ちなみに、このヨーロッパフラミンゴの個体番号は「H302」。1997年生まれ。メス。

    フラミンゴの飼育下の寿命は平均40~50年と言われているため、ほどよいお年です。

    (※一部、番号で個体を管理しています)

    あるときに、親鳥の警戒が解け、自然な形でふわりと抱卵に入れ替わりが行われました。

    そしてその日は3羽が交代でしっかりと温めていました。

    「おぉ、これが噂の…」とテンション高く観察していたのですが、残念ながらその卵は翌日には破卵していました。

     

    たまたまだったのかと思いつつ。

    5月中旬にベニイロフラミンゴの同じペアが再び産卵し、今回もまた同じヨーロッパフラミンゴ(H 302)が抱卵に参加していました。

    ところが、この2回目の卵もまさかのその日のうちに割れました。

     

    しかも卵には、くっきりと嘴の跡が・・・・(´;ω;`)

    温めようと「よいっしょ」と転がそうとしたときにうっかり強く差しすぎたのかもしれません。

    H302ははりきって抱卵しようとしているけれど。

    これは・・・親鳥にとってはもはやありがた迷惑なのでは・・・。

     

    通常フラミンゴは1つのペアが1つの巣に1つの卵を産みます。

    同じペアが複数回、産卵するのは抱卵中の卵を失ったり、ヒナの子育てに失敗した場合の“補充卵”であることがほとんど。

    しかも、産卵は体力をとても使います。2回産んでいるこのペアのメス、さすがに今シーズンは産まないよね・・・と思っていたら。

     

    なんと、7月3日に3回目の産卵を確認!

    (すごい・・・体力ある・・・!)

    まさに3度目の正直です。

    「どうか今回ばかりは・・・」と思いながら、双眼鏡を覗いていたら、そこにはおなじみのヨーロッパフラミンゴのメス(H302)が登場。

    いつものように近づいては離れ、近づいては離れ・・・を繰り返し。

    なかなか諦めません。

     

    この3羽の関係性っていったい・・・?

     

    ただ、3度目の正直だったのか。

    それとも偶然が重なっただけなのか。

     

    7月31日にヒナが無事に孵化し、その後順調に育っており、親鳥とH302 のそばを離れて単独で行動しています。

    飼育の現場では、不思議な出来事にたくさん出会います。

    「なんとなく・・・これって・・・?」みたいな小さな感覚が後々に新しい発見や研究につながることも実はよくあります。

     

    観察と記録の積み重ねは動物園が行う研究活動を推進する大きな力になります。

    王子動物園での毎日の中にひそむ、「なんとなく・・・これって・・・?」を大切にしながら動物たちの知られざる姿を明らかにしていきたいと思います。

     

    ・・・いや、ほんと観察する時間がもっと欲しい(切実)

     

    ▼3羽が交代でヒナと一緒に行動をしている様子

     

    動物専門員 あお

  • 2025年09月23日

    うらがわ

    9月15日は「敬老の日」でした。

    動物園ではこの日にちなみ

    ご長寿の動物たちにプレゼントをしてお祝いをする

    「長寿動物へのプレゼント」を行いました。

     

    敬老の日イベント

     

     

    当日の11時からはフサオマキザルに。

    13時20分からはカバの「出目男(43歳)」に。

    13時45分からはチベットヒグマの「マー(35歳)」とエゾヒグマの「サトエ(33歳)」、

    ツキノワグマの「クマコ(1999年保護のため26歳以上)」にそれぞれプレゼントをしました。

    (もちろんエゾヒグマの「ロクジ(33歳)」にもプレゼントしましたよ)

     

     

    フサオマキザルにはヨーグルトやフルーツをぜいたくに加えたサンドウィッチを。

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    カバの「出目男」にはおからを使ったタワーケーキを。

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     カバ

     

     

    クマたちにはスイカや魚のアジをプレゼントしました。

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    飼育担当者が工夫をこらしての特製プレゼント!

    夏の代表的な果実のスイカもなにげなくプレゼントしているようですが、

    9月以降の果物屋さんやスーパーマーケットでは見る機会がなくなりますよね?

    いまが旬の果実といえば桃やぶどうですが、

    大きくて見栄えのいいあまーいスイカをプレゼントしたいとのご要望にお応えしたく、

    考えたのがこれ。

     

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    冷凍です!

    これならフレッシュなままでプレゼントできます(笑)

     

    味の感想を聞けるなら…ですが、完食してくれたので。

    みんな愛情たっぷりのプレゼントで満足してくれたかな。

    これからも元気で長生きしてもらって、

    来年もまたみんな一緒にお祝いできますように!

     

    ぶろぐのぐ

     

     

  • 2025年08月17日

    ゆめのトレーニングと健康管理

    久々の投稿となります。

    今回はホッキョクグマ「ゆめ」のトレーニングと健康管理についてです。

     

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    「ゆめ」のハズバンダリートレーニング(以下、トレーニング)は、採血を目標として「ゆめ」・飼育・獣医で一年以上前から取り組んでいました。

     

    ただ、皆様ご存じのとおり「ゆめ」はかなりアクティブ(おてんば?)なので、トレーニング中もソワソワ、ガウガウ、強化子(ご褒美)クレクレ、といった感じで3歩進んで2歩下がるトレーニングを積み重ねてきました。詳細な経過(苦労話?)はいつか飼育担当が語ってくれると思います。。

     

    諸々の脱感作(慣れ)、強化子変更、設備工夫、獣医療器具変更等によって、ようやく十分量の採血に成功したのが8/14(木)でした。痛みが少ない方法で実施しているので「ゆめ」は採血中も通常運転のガウガウ・クレクレといった様子で、採血後も「もう(強化子)終わり?」という表情でした。

     

    血液検査で異常値(脱水・臓器障害・電解質異常等)はなく、「さすが若いから健康やねー」という会話を担当者としていました。そして偶然ですが、その日の午後に「ゆめ」が不調ということで診察依頼が入りました。

     

    「午前中元気やったのに、どしたんやろ」と考えながら駆けつけ、寝室の「ゆめ」を診てみると歩様異常がありました。その歩様から腰を痛めたのでは?と仮診断し、投薬+運動制限(室内休養)を実施しました。おそらく原因は展示場ではしゃぎすぎて腰をぐねったか、強打したと推定しています。

     

    なお「ゆめ」自身は投薬1時間後には、ケロっとしており採餌も歩様も通常でした。薬の効果なのか、自然治癒かの判断は難しく、状況注視のため翌日も室内休養としました。当然ながら「ゆめ」は室内休養の目的は理解していないので「外に出して!!」と言わんばかりの様子でした。夏場は冷房の効いた室内と屋外との出入りを自由にしており、「ゆめ」は自分のペースで出入りしていますが、快適な気温であっても室内でジッとし続けるのは苦手なようです。

     

    室内休養の間は診察頻度も高めていましたが、診察のたびに前肢についた水をピチャっとかけられ、ユメの独特の匂いが、、まぁ元気な証拠なので良いんですけど。。運動制限という健康管理手法は動物園では中々難しいものです。

     

    そして翌々日の16日の朝の様子と、これ以上の室内休養はかえってストレスになりかねないとの判断から、屋外放飼を決定しました。寝室から屋外展示場に出る「ゆめ」に対する私の感情は「はしゃぎすぎんといてよ~」という、通常の治療個体への感情と真逆のものでしたが、いきなりプールに飛び込むこともなく、陸上のエンリッチメントツールの中のペレットを探索・採餌(X添付動画)→その後プールに入り陸上同様にエンリッチメントツールの中のペレットを探索・採餌していました。まだ100%安心というわけではありませんが、引き続き「ゆめ」の状態を見ながら適切に飼育管理を行っていきます。

     

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    今回は血液検査が出来ていたおかげで診断を絞りやすく、改めてトレーニングの重要性を痛感しました。なお、クマ科のトレーニング下採血はタンタンから始まり、サトエ→タケ→ロクジ→ゆめと採血可能個体が徐々に増えています。手技の基本は確立しており、各個体の特性と施設の形状に応じて手技を改良しながら実施しています。診療が忙しく、なかなか獣医療に関する投稿は難しいのですが、また時間が出来れば色々な動物種のトレーニングや体調管理方法も投稿出来ればと思います。

     

    王子の獣医   

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  • 2025年08月06日

    じっくりと

    青い空に白い雲!

     

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    朝早くからにぎやかなセミの鳴き声…

     

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    あぁ、夏休み!

    動物園もいま夏、真っ盛りです!

     

    子どもの頃の夏休みの思い出といえば、

    浴衣姿の夏まつりに、花火大会。

    早起きして行ったラジオ体操や、海水浴。

    突然のカミナリに夕立。大きく切った甘いすいか。

    たくさんのことが思い浮かびますね。

    そして、何よりも一番が夏休みの宿題、特に自由研究!

    子どもにとっても、親にとっても、夏休みには避けて通れない大きな関門です。

     

    最近は気温が異常に上がり、外出するにも気をつけなければならないですが、

    そんな時にみみよりなニュースを動物園からひとつ!

    動物園で一番涼しい動物科学資料館ではいま、

    特別展「はく製たちがやってきた」を開催しています。

     

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    昨年6月にオープンした須磨シーワールドの前身、

    懐かしの須磨海浜水族園で保管されていたはく製の一部を

    この春じつは、王子動物園に移転していました。

     

    そこでこれらのはく製を、

    動物園で保管しているはく製と比較、展示して

    わかりやすく解説もしています。

    珍しい歴史も映像と共に、

     

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    動物のひみつも詳しく紹介しているので、

    じっくりと読んでもらえればあなたも動物博士に。

     

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    さまざまな保全活動(自然環境などを長期的に守る活動)にも触れているので、

    環境問題などを研究材料にして

    自由研究でまとめてみてもいいかもしれませんね。

     

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    あと楽しいクイズもあって、

    正解者にはプレゼントもありますよ!

    休憩ホールでは13:00すぎに「ペンギンのお食事タイム」もありますよ。

    涼しいクールスポットでじっくりと過ごしてみてはいかがでしょうか!

     

    ぶろぐのぐ 

  • 2025年07月29日

    世界トラの日

     本日7月29日は「世界トラの日」です。

    絶滅危惧種であるトラの現状を知り、その保全の為に出来る事を考えようという日です。

     

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    当園でもアムールトラのレーニャ(メス)、ミシュカ(オス)の二頭の飼育を行っていて、繁殖を目指しています。
    オスのミシュカは7月9日に和歌山のアドベンチャーワールドから新しく当園の円形猛獣舎に仲間入りしたアムールトラです。
    ミシュカが王子動物園に来て約1か月経ちましたので、新しいアムールトラ『ミシュカ』の近況を報告して行きたいと思います。

     

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    僕自身、トラの搬入は初めての事でしたので園内で打ち合わせをしながら事前に準備を進め、無事にミシュカを迎え入れる事が出来、とてもホッとしています。
    動物の移動について少し説明しますと、皆さんのイメージでは動物を檻に入れ、車等の移動手段で運ぶと言った感じでしょうか?
    大まかにはそんな感じで進むのですが、動物を檻に入れるにしてもその動物が自分から檻に入ってくれる個体なのか、麻酔が必要なのか等で搬出する側も準備が変わってきますし、運ぶ手段によっても搬出先までどれくらいの時間がかかるのか等も変わってきます。
    搬出する動物に少しでもストレスがかからないように、互いの園館同士で相談しながらの作業になってきます。


    今回は当園とアドベンチャーワールドは、国内移動のうちではまだ短い時間での移動でしたのでミシュカにもあまりストレスをかけずに来てもらう事が出来ました。それでも、道中の温度管理など最大限配慮しました。
    さて、車で約3時間ほどで当園に到着したミシュカはと言うと檻の扉を開けると最初は檻の中で周りを気にしながら外を見ていましたが、すぐに新しい部屋に入り置いてあった馬肉を食べてくれました。
    この瞬間、周りにいた飼育係、獣医などみんなが胸をなでおろし、とても安心しました。


    この日のミシュカは周りを気にしながらとても緊張した様子でしたので、とにかく緊張を解き、少しでもリラックスしてもらおうと部屋を暗くし、最低限の人数で様子を見守る事にして、ミシュカに過ごしてもらいました。
    次の日からもまだ緊張した様子でしたが、しっかり餌も食べてくれていたのであとは少しでも早く環境に慣れてくれたらいいなといった感じでした。
    1週間もすると、環境や僕らにも少しずつ慣れてきた様子で「餌はまだですか?」といった様子でこちらを見てくれる様になってきました。

     

     

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    ミシュカが環境に慣れてきたら、次は屋外展示場に出る練習を始め皆さんにもミシュカを観覧していただく予定にはしていますが、そこは慌てずミシュカのペースに合わせていきたいと思っています。皆さんもミシュカに会える日を楽しみにお待ちしてもらえればと思います。

     

     

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    うめもと りょうじ

  • 2025年07月24日

    動物専門員の日常#19 フラミンゴの繁殖管理~産みの親ではなく、仮親をたてる~

    先日のブログでお知らせした通り、今年もベニイロフラミンゴのヒナが誕生をしました。

    実は、そのあとにこっそりと【6月24日】と【7月10日】に、それぞれベニイロフラミンゴのヒナが1羽ずつ孵化しています。

    (写真1)里親

     

    【6月24日】と【7月10日】に誕生したヒナは特別な経緯があったので、

    その裏話を少しアカデミックに紹介したいと思います。

     

    ―フラミンゴたちの子育て事情―

    王子動物園ではベニイロフラミンゴとヨーロッパフラミンゴの2種類を同じ場所で混合飼育しているのですが、その個性はさまざまです。上手く産卵・抱卵してくれるペアもいれば、適さない場所で産卵してしまい、卵のまわりを困ったようにうろうろしていたり、良い場所で産んだはずなのに途中で抱卵を放棄したり、なかなか一筋縄ではいかないのが現実です。

     

    実は【6月24日】と【7月10日】に誕生したヒナにはそれぞれにハードルがありました。

     

    ひとつはこれまで、孵化に成功したことがない場所(通路側)で産み落とされた卵でした。その場所は来園者との距離が近く、柵越しとはいえ、人の気配が絶えません。飼育員も掃除のためによく通る場所のため、安全に育てるには不安が残る場所です。そしてもうひとつの卵は親鳥が卵への関心をあまり示さずにいました。巣のなわばり争いも激しく、他の個体から守り切ることができない状況でした。

     

    このまま置いておくと、どちらの卵も無事に孵化させるのは難しい…。

    人工育雛という方法もありますが、十分なケアを継続できるか、育ったあとのヒナが群れに戻れるのか、といった課題もありました。

     

    そこで、選んだのは当園で過去にも成功事例のあった

    「別のペアで仮親を立てる」という方法でした。

     

    ―仮親を立てる―

    いったい、どのようにフラミンゴ自身はヒナを認識しているでしょうか?

    実は産み落とした卵を個別に認識しているわけではありません。基本的にフラミンゴたちは守っている巣を認識しているだけだと言われています。そして、孵化する少し前に卵の中でヒナが鳴き声を発するのですが、親鳥とヒナの間で「音声のコミュニケーション」をとり、孵化後もお互いを認識することができます。フラミンゴのペアが抱卵を始めてから孵化するまでの日数は平均で28日前後と言われており、その間にそっと卵を入れ替えれば自分の卵だと認識してくれる可能性があります。

    今回、抱卵・子育てが得意なヨーロッパフラミンゴのペアに仮親になってもらい、ベニイロフラミンゴが抱卵を放棄した本物の卵を託すという取り組みを実施しました。ヒナの最初の嘴打ち(はしうち)の瞬間を見たときには、嬉しかったです。その後も仮親が子育てにしっかりと取り組んでくれて、群れも安定しているため、ほっとしています。

     

     

    ―仮親を立てることはアニマルウェルフェア(動物福祉)につながるのか?―

    動物を飼育していく上で、アニマルウェルフェア(動物福祉)は欠かすことはできません。アニマルウェルフェアとは“動物たちが身体的及び心理的に幸福であること”を意味し、それは科学的な根拠に基づいて評価する必要があります。今回、繁殖制限中のヨーロッパフラミンゴに別種であるベニイロフラミンゴの卵を抱かせて、抱卵・子育てに取り組みました。抱卵・子育てはフラミンゴ自身が大量のエネルギーを使うため、仮親ペアの選び方や体力的に負担になりすぎないかなどの見極めが重要です。しかし、抱卵・子育てが得意なヨーロッパフラミンゴのペアにとっては、本来の行動を引き出すことができるため、精神的な充足や自然な子育て行動を維持できる可能性があります。ヒナ誕生ということに加えて、繁殖制限がある中でも、今を生きているフラミンゴたちへのアニマルウェルフェア向上にもつながることが期待されます。

     

    ―限られた条件の中で少しでも良い方法を選ぶ―

    フラミンゴたちのため、そして未来の動物園のために、「今できるベストは何なんだろう?」と担当者はいつも頭を悩ましています。時には「フラミンゴを騙しているのでは?」と純粋に質問をされ、複雑な気持ちになることもあります。未来にベニイロフラミンゴという種を確実に残していくために、アニマルウェルフェアを考えながら環境づくりに取り組んでいこうと思います。

     

    ・・・とお堅いはなしは、ほどほどにして

    今回、無事に育ってくれて本当によかったです。

    今の時期にしか見ることのできないふわっふわなフラミンゴのヒナにぜひ会いにきてくださいね。

     

     

    動物専門員 あお & 飼育員 まーくん

     

  • 2025年07月01日

    はじめました

    梅雨が明けました。

    そろそろセミが鳴きだします。

    ジャイアントパンダのタンタンは中国に帰りました。

    もうそこまで夏がやってきています。

    暑くなってきたのでミストシャワーはじめました!

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    最近の暑さはハンパないので、動物がいる場所にはたくさんの日陰が必要になりますが

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    みなさんには涼しい場所で休みながら動物を見ていただきたいです。

    「コアラ舎」や

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    「ホッキョクグマ舎」と

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    「アシカ舎」の観覧通路から

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    チンパンジーやオランウータンのいる「類人猿舎(放養式動物舎)」などなど。

    ベンチに座って冷たい飲み物やアイスクリームでクールダウンして下さいね。

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    「動物科学資料館」の

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    休憩ホールではフンボルトペンギンのスピード感あふれる泳ぎが間近でゆっくり見ることができます。

    また7月5日(土)・6(日)には動物科学資料館 休憩ホールで、

    七夕(たなばた)のイベント「たなばたを飾ろう~動物たんざくに願いをこめて~」を行いますよ。

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    常設展示室では「住む」「食べる」「育てる」などのテーマごとに、ジオラマや骨格標本、映像や模型、音響などで動物の特徴や体のしくみを楽しく紹介しています。

    また学習コーナーでは絵本が読み放題のこども図書室や、専門書などが豊富に揃った図書閲覧室、動画も見られる情報コーナーもありますのでぜひ楽しんでみて下さいね。

     

    ぶろぐのぐ