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2022年11月23日
ヤマアラシたちの裏側をご紹介
王子動物園には、アフリカタテガミヤマアラシ(アフリカ中北部に生息)とインドタテガミヤマアラシ(南~西アジアに生息)の2種のヤマアラシがいます。
どちらも、頭から肩にかけてタテガミ状のかたい⽑が、背中から尾には⽑が変化した⽩⿊の針が⽣えており、危険が迫ったときに、この針毛を逆立てて音を出したり、後ろ向きに突進したりして身を守ります。さて、こんなトゲトゲなヤマアラシたち、治療などの必要があるときはどうするのでしょう?
アフリカタテガミヤマアラシの「ムム」(メス)は、歯の咬み合わせがずれてしまっており、歯が伸びて餌が食べにくくなってしまうので、ときどき獣医が、歯を削ってあげないといけません。
そのためにまずは飼育員がムムを捕まえるのですが、その方法には歴代の飼育員たちの工夫が重ねられています。
当初はムムを入れるための金属製の箱を作り、改良が重ねられました。
こちらは3代目に改良された箱「ヤマアラ3号」です。頑丈ですが重いです。
ムムを箱に入れると、麻酔をかけて、電動の器具で歯を削っていきます。
これでまた餌を食べられます。
捕まえやすさや安全性、運びやすさなどを考慮し、改良が重ねられたところ、今はどうなっているかというと…
これです。
ポリバケツを改造して作られています。
とても扱いやすくなりました。
最近、当園にやってきたインドタテガミヤマアラシの検疫が終わって、展示場に移動するときも、これを使いました。
今、インドタテガミヤマアラシの「まさお」と「ヴィゴラドゥーエ」は新しい展示場の環境に馴れるよう練習中です。
ゆっくり見守ってくださいね。まさお
ヴィゴラドゥーエ
ション