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最新ニュース

  • 2023年10月22日

    これからの季節に向けて

    王子動物園では「スポーツの日(10月9日の祝日)」を過ぎたころからキンモクセイの花芽が大きくなりだしました。

    10月13日朝に撮影した時には匂わなかった甘い香りが夕方にはほんのり香りだして、花もまたたく間に色づき始めました。もう一週間もしないうちに満開になることでしょうね。

     

    IMG_1376

     (10月13日のキンモクセイ)

     

     

    去年きんもくせい

    (去年、開花時のキンモクセイ)

     

    季節もいよいよ秋から冬に、ですが…

    そうなると、話題の「アレ」。「あれ」。「ARE」ですよ。

    この時期、動物園の「アレ」と言えば、そう!「鳥インフルエンザ」です。

     

    前シーズン(2022年~2023年)は大騒動。今年の2月2日のことでした。

    鳥インフルエンザに感染した野生のカラスが、動物園の中で死亡しているのが発見されて検査の結果陽性が判明。詳細な検査の結果を待つ間もそれ以上の感染の拡大を防ぐための準備で臨時休園にもなりました。

     

    IMG_1389

     

     動物園の北側のエリアには飛べない鳥のダチョウやエミューがいて、他の鳥たちと同じく小さな網目の防鳥ネットを張って、野鳥との接触防止対策を行っていました。

    しかし以前から野生のカラスもたくさんおり、動物たちの食べ物をよこどりして暮らしていたので、居着かないようにカンガルーやシタツンガたちの運動場にも防鳥ネットを張ることにしました。

     

    IMG_1379

     

    IMG_1380

     

    その結果少しずつですがカラスたちはいなくなって、いまでは数羽ほどしか見かけないです。

     

    さて今シーズンですが、先日10月4日に北海道で死亡したハシブトガラス1羽からA型鳥インフルエンザの陽性反応が確認されました。さらに遺伝子検査から高病原性鳥インフルエンザ(H5亜型)が検出されました。野鳥から高病原性鳥インフルエンザが確認された1例目となります。

    全国では「対応レベル」を引き上げて、野鳥における監視を強化することになり、動物園でもこれから状況によって制限や対策をかえていくことになります。例えば出入りする人や自動車などの消毒などを厳しくするなど…

    これからの約半年間、みなさんにもご迷惑をおかけすることになるかもしれませんが、動物たちの命を守るために消毒マットによる靴裏消毒などにご協力をお願いいたします。どうかよろしくお願いいたします。

     

    ぶろぐのぐ

  • 2023年10月20日

    資料館レポ№26 新着図書 4冊入りました。

    新着図書は、この4冊です。

    DSC09944

     

    1.『科学絵本』 パンダはどうしてパンダになったのか?』

    方 盛国 著 技術評論社

     

    2.『日本で会えるペンギン 全12種パーフェクトBOOK』

    木村 悦子 著 グラフィック社

     

    3.『マヌルネコ15の秘密』

    南幅 俊輔 編  ライブ・パブリッシング

     

    4.『王子動物園 フォトグランプリ2023 写真特集』

    神戸新聞社

     

    うち、一冊をご紹介します。

     

    『科学絵本 パンダはどうしてパンダになったのか?』

    表紙のかわいらしいジャイアントパンダの絵とは打って変わって、たくましいパンダの進化が語られます。

    氷河期を生き残る戦略として、進化をとげる「改革派」のパンダたち。

    あんなかわいらしい表情やしぐさで、まわりを笑顔にしてくれる姿の裏には、サバイバーとしての一面があることを思い出させてくれる絵本です。

     

    ぜひ、図書室で手にとってご覧ください。

     

    図書 丸代

  • 2023年10月12日

    「秋」に思う。

    10月に入って、それまでの猛暑が嘘のように、朝晩すっかり涼しく感じられるようになりました。

    秋は、動物園の季節です!

    すでに平日も幼稚園や保育園、小学校からの遠足の児童たちがたくさん元気な声を響かせながら、動物たちに会いに来てくれています。これからしばらくは行楽に最適な気候なので、休日は家族連れなどで一段とにぎわい、動物園スタッフもやりがいが感じられる時期でもあります。

     

     

    さて、秋と言えば、つい先日のテレビ番組で、考えさせられたことがあります。

    神戸市では、野生のイノシシが時折市街地に出没し、市民を驚かせ、農作物を荒らしたり、時には人への危険を及ぼすことがよく起こっていました。最近は、ゴミ出しルールの徹底などでエサとなる食物が減少するなどし、捕獲も進めたことで市街地への出没はあまり見られなくなったようです。

    そのイノシシからの様々な被害が拡大するのが、「実りの秋」以降というのです。

     

    本来は山で生活しているはずですが、人里に下りてくれば木の実など食料となるものがあり、一度その味を知るとそれを繰り返す行動に出ること、また住民自身がイノシシが出没することに慣れてしまっていることなどがそれをエスカレートさせていることが、専門家から指摘されていました。

    また、野生のイノシシにマダニが寄生し、公園などに侵入した際に土を掘り返したりした場所にマダニが潜むことで、そこに近づいた人がマダニに噛まれ、場合によっては感染症になるなどの被害もあるそうです。

    さらには、斜面沿いの道路の排水溝が、イノシシの掘り返しによって土砂で埋まり、排水機能が低下したために、斜面が崩壊して道路が通行不能になるなど、何とインフラへの影響も出ているというのです。

     

     

    最近では、野生のクマやサルなども市街地によく現れて、住民が危険を感じるというニュースもよく目にします。

    野生動物の「保護」が大切であることは間違いありません。世界各地の野生動物を絶滅の危機に向かわせているのは、人間活動が大きな原因であることは、共通認識と言ってよいでしょう。

    一方で、野生動物が時に人間の日々の営みに危険や障害を及ぼす時、人間はどのように対処すべきか、みなさんならどう考えますか?

    動物と人の「共生」。このたった二文字の言葉は、本当に重いと感じます。

     

     

    この季節、遠足や行楽に来られる多くの来園者の方々に、そんなことを少しでも考えていただくよう、知恵を絞りたいと思う今日この頃です。

     

     

    DSC_1336

     

     

    (KYな人)

  • 2023年10月08日

    ZiZi通信 No.83 キタオとキタコ.... 

     

    当園の動物科学資料館には収蔵庫というのがありまして、動物のはく製、毛皮など大事な標本が保存されています。

    DSC07764

     

    先日、ここのエアコン更新のため下見に入りました。

    ドアを開けるとキタオがお出迎えです。

    お久しぶり!

    DSC07766

      

    キタコはこちらを向いていなかったので、お尻で失礼!

    DSC07770

      

    日頃はここでみんなおとなしくしています。

    年中、温度20℃、湿度55%、年1回燻蒸消毒も行って過ごしよい環境にしています。。

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    また、時々みなさまとお目にかかること楽しみにしています。

    キタオ、キタコたちの近況でした。

     

    ZiZi1号

     

  • 2023年09月28日

    「遠いようで近いから」

    動物園の入園ゲートを元気にくぐり抜け、嬉しそうに駆け出す小さな子ども。

    その先には…

    まさか、自分のところに駆け寄ってくるとは思っていないハトが、目を丸くして慌てて走る。

    追いかける子ども。

    そしてついに空へ飛び立つハト。

     

     

    そう、小さな子どもが真っ先に駆け寄るのは「目の前にいる触れそうな生きもの」。

     

    でも、ハトを追いかけていたその目に鮮やかなピンク色の大きな鳥が!

     

    そして、歩いて進むと…本の中やテレビでしか見たことのない本物の生きものたちが目の前に!

     

    いつしか、ハトを追いかけるよりも目の前の実物にくぎ付けに。

    身体の大きさにビックリ!突然の大きな声にビックリ!いろんなニオイにビックリ…。

    そんなたくさんのビックリに出会い、ドキドキしたり、泣いたり、くさぁ~いって言ったり。

     

    でも、動物園を出る頃には「帰りたくな~い~!」

     

    そんな「五感」を刺激するのが動物園だと思います。

     

    身近に見る事の出来ない希少な生きものだけでなく、時には見慣れた生きものたちが待ってます。

     

    新しくなる動物園が、もっと魅力に溢れ、動物たちにも優しく、人にも優しい場所であり続ける…そんな「王子動物園」であってほしいな。と感じた夏の終わりの夕暮れ時でした。

     

    何か動くものが…⁉これも身近な生きものですね。

     

    KDEB9264

     

    From・BTN

  • 2023年09月27日

    動物専門員の日常#03 “振り返るとそこにはう・ん・ち”

    不定期連載の「動物専門員の日常」ブログ、第3回目です。

    ゆる~い感じで、書き連ねますので、どうぞゆる~い気持ちでお付き合いくださいませ。

    今日は飼育員のお仕事の基本「3つのじ」について紹介します。

     

    「飼育員のお仕事ってどんなことをするの?」と聞かれたときに、必ず私がお答えするのがこの3つのじ、それぞれ掃除・調餌・給餌の3つの仕事の語尾をとったものです。

     

    (画像1)飼育のお仕事の3じって?

     

     

    ①     掃除・・・文字通り、獣舎や飼育環境の掃除をすること

    ②     調餌・・・飼育動物の餌をつくること

    ③     給餌・・・飼育動物に餌を与えること

     

    イメージしやすいのは餌を与えている飼育員の姿だと思いますが

    1日の業務時間の内、大部分を占めているのは実は①掃除です!!

     

    意外ですよね、私も動物園・水族館業界で働くまでは③給餌がメインだと思っていました。

     

    飼育環境を衛生的に整える作業は飼育員や動物専門員にとって、動物たちの健康状態を知ることができる貴重な時間でもあります。

    え?どうやって掃除の時間に健康状態を知るって?

    それは、“う・ん・ち”です!(笑)

     

    (画像2)ワオうんち

     

     

    担当動物を1頭1頭、観察することはもちろんですが、うんちは健康のバロメーター‼

    毎日の量、色、柔らかさ、匂いなどから腸内環境や健康状態をある程度、把握することができます。私たち、人間も一緒ですよね。

     

    さらに、前日に与えた餌の食べ残しがどのぐらいあるのかも、掃除の時間に動物たちのことを知る貴重な時間です。

     

    「うんちがいつもよりべちゃべちゃになっていたから、糞便検査にまわすね」

    「うんちの中に血が混じっていたから、見ておいて」

    「昨日は食べ残しがあったから、今日の配合量と組み合わせはこっちにしてみよう」など掃除の時間を中心に担当者同士、いろいろな会話が交わされています。

    今の私は、担当動物たちのいつも通りの状態を知ることに精一杯。

    もちろん、うんちも例外ではありません。

    掃除の時間は、うんちのことで頭がいっぱいになります(笑)

     

    そして、衛生環境を整えるために、獣舎の掃除をして前日のうんちは全て取り除かなければなりません。丁寧に獣舎を掃除したと思いきや、先輩にチェックしてもらったタイミングで意外なところに取り残されているうんちがあるのです。。。

     

    苦戦している私の姿を見て「ホースで洗い流した度に必ず、振り返る癖をつけるべし!」

    とアドバイスを貰ったので、掃除(ホースで洗い流す)→振り返る→掃除(ホースで洗い流す)→振り返る→掃除(ホースで洗い流す)→振り返るを繰り返しています。

     

    アドバイス通り、振り返るとなぜかそこには取り残されたう・ん・ち!(笑)

    (画像3)振り返るとそこにはうんち

     

    1回の掃除で完璧にキレイにできるのは、もう少し先の話かもしれません。

    先輩曰く「そのうち、うんちか模様か、パッと見ただけで分かる目になってくるよ~」とのこと。

     

    目指せ!うんちが分かる目の獲得~!

    次は3つのじ、調餌編についてご紹介します。

     

    動物専門員 あお

     

     

  • 2023年09月24日

    ZiZi通信 No.82 ぴよ~ん....

     

    夕方のアシカ池は静かです。

    スミレとトトマルがお休み中。

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    すやすやと...

    DSC07862

     

     

    えっ? ニコ(スミレの去年生まれの子)がスミレたちの下で立ってるじゃないの!

    深い方から山越えで越境してきたんやね。

    スミレの邪魔をするわけでもなく、おとなしくしています。

    DSC07863

     

     

    右手がかゆいみたいで、噛んでます。

    DSC07866

     

     

    少し時間をおいてアシカ池を覗くと...

    深い方に戻って、ピヨ~ンて飛んでましたよ。

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    元気に育ってますね。

     

    ZiZi1号

     

  • 2023年09月20日

    六甲山の自然 6 オオマリコケムシ(別名:クラゲコケムシ) Pectinatella magnifica

    8月初旬に再度公園にある修法ヶ原池に行ってきました。

    池の周りには立派な赤松が植えられており、ハイカーやバードウオッチング、家族やペットと一緒に散策される方がたくさん見られます。都会に近いにも関わらず静かな山の中でのんびり過ごすには絶好の場所です。ちなみにスマホもほとんど圏外でした。

     

    1

     

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    修法ヶ原池に到着すると、池の周囲の浅瀬に見たこともない卵のような塊がたくさんありました。

     

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    一番大きなもので40cm×40cmぐらいありました。

     

    4

     

    1か月前に来た時には見られませんでした。帰ってから調べると、オオマリコケムシ(別名:クラゲコケムシ)と言う外肛動物に属している北米原産の外来生物でした。

    1.5mmほどの個体が集まり寒天物質を出して、最大で1mぐらいの群体を形成すると言われています。兵庫県南部のため池でよく見られるそうです。

    池や水路などで大発生して、取水口や水門が詰まるなどの報告があります。また、水質が悪化した水域で多く見られるそうです。

     

     

     

     

     

     

     

     

  • 2023年09月19日

    六甲山の自然 5 アオゲラ

    アオゲラ  Picus awokera awokera

    北海道を除く全国に分布

    Cランク(神戸版レッドリスト2020)

    Cランクとは、神戸市内において存続基盤が脆弱な種。極力、生息・生育環境、自生地などの保全が必要な種

     

    7月初旬、六甲山に車で向かいました。山の中の駐車場に車を停めて外に出るとキョッキョッと大きな声が聞こえてきました。声のするところに近づいても一向に鳴きやみません。鳴き声のする木の上の方をみると逃げることもなくアオゲラが鳴き続けていました。アオゲラは大型のキツツキの仲間です。アオゲラに出会ったのは初めてのことでした。ずっと見上げているとバードウォッチングをされている方が来られて、ここには巣があって、そろそろ雛が巣立ちすると親切に教えてくれました。アオゲラを警戒させてはいけないと何枚か写真をとってすぐに立ち去りました。

    アオゲラのいたところは自動車道路から5mぐらいの比較的開けたところで、ハイカーもたくさん通るところなので、車や人への警戒心は少ないのかもしれません。

     1

     

     

    アオゲラは分布を拡大中で、山地部だけでなく住宅地へも分布が拡がっていると言われ、その要因は営巣に十分な太い木が住宅街にも増えていることや食物条件もよくなっていることなどが考えられると報告されています。平野部の多い明石市でも生息が確認されています。

    キツツキ類は今まで小型のコゲラしか見たことがなかったので、アオゲラに出会えて嬉しい1日になりました。

    今まで両生類や哺乳類の食痕調査をしてきたため、下ばかり見て歩いていたので、いろんな動物に出会っていても気が付かなかったのかもしれません。フィールドに出たら上も下も遠くも近くも見なければと思いました。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

  • 2023年09月18日

    動物専門員の日常#02 “感じる、動物たちの視線”

    みなさん、こんにちは。

     

    前回のブログに引き続き、私が働き始めたときのことをご紹介したいと思います。

     

    作業服に着替えて、獣舎やバックヤードに入る鍵を持ち、園内マップを覚えるために歩いているとなんだかずっと見られている気がするのです。

     

    強烈に感じる動物たちの視線

     

    作業服だからでしょうか?ベテランの飼育員さんの後ろを歩いているから?それとも鍵をつけて歩いているから、じゃらじゃらする音?バックヤードに入ってきてるから?

     

    写真1

     

     

    王子動物園には来園者として、何度も来たことがあるのですが今までとは全然、違います!

     

     じーーーーっとしているけど、

    目線だけは離さないジャガー

     

    写真2

     

     コンクリート越しにいても様子を伺いにくるアジアゾウのマック

     

    写真3

     

    ひょこっと顔を出す、ワオキツネザル

     

    写真4

     

    中でも、ふふっと思わず笑みが溢れたのが小猿舎のフサオマキザルたちです。

    新しいスタッフに興味深々といった感じでしょうか?

     

     先輩飼育員曰く、どこか、カッコつけたがりなところがあるフサオマキザルたち。

    テリトリーに知らない人が入ってきたら、驚きますよね。

    少しずつ、覚えてもらい動物たちと信頼関係を築いていきたいなと思います。

    次回は飼育の基本3じについて紹介します。ぜひ、ご覧ください。

     

    動物専門員 あお